節税
会社で働いている限り、皆さんもらう源泉徴収票。
毎年12月にもらうことがほとんどですが、この書類には税に対する大切なことがたくさん詰まっています。
では、源泉徴収票のどの点を見ればいいのでしょうか。
また、源泉徴収票が必要になるシーンとはどんな時なのでしょうか。
そんな、大切な情報が一枚に集約されている源泉徴収票の見方や必要時のシーンをご紹介します。
また、2020年度から適用開始の改正項目も併せてご紹介します。
簡単にいえば、会社が所得税の計算をあなたの代わりにし、その結果が書かれたのが源泉徴収票です。
1月~12月の1年間の総支給額、およびかかった税金が書かれているため、これ1枚であなたの年収が分かる大切な書類になります。
源泉徴収票には、以下の3種類があります。
場合によっては、この書類が必要になるケースもあるので、大切に保管しておきましょう。
この話は後ほど詳しく解説します。
大切な情報が載っている源泉徴収票ではありますが、残念なことに見方が分からない…という方が非常に多いです。
ここでは、見ておくべき項目を紹介します。
また、見方を知れば、お金に対しての考え方が変わりますので、ぜひ目を通してください。
給与・賞与を含めた、税金や控除で引かれる前の総支給額のこと。
この欄があなたの年収になります。
「年収は?」と聞かれたら、この欄に記載された数字を伝えましょう。
ここで見るべき点は、前年度と比較しどの程度の差があるのかを確認することです。
差がある場合、何が要因で差が生じたのかを分析することで、翌年の働き方や家計を見直す良い機会となるのです。
ここで間違えてほしくないのが、実際の手取り年収とは別ということです。
手取り年収が知りたいなら、支払金額から所得税・住民税・社会保険料を合わせたものを引けば正確な年収がでます。
年末調整により計算された所得税のこと。
こに記載されている税金が、翌年1年間分割して給与から天引きされる額になるので、どれくらい天引きされるのか事前に把握できます。
しかし、予測から計算された額になるので、当然誤差は生じます。
その際は、年末調整にて返還したり、徴収したりと調節しているので漏れはありません。
この項目は、あなたが1年間に支払った社会保険料になります。
社会保険料とは、以下の4種類です。
どれがどのくらい支払われているかは、毎月もらう給料明細書に詳しく書かれているので、併せて見てみるといいでしょう。
源泉徴収票をもらったものの、使うことがないなと思う人もいるでしょう。
ここでは、源泉徴収票が必要になるシーンを紹介しますので、頭の片隅にでも置いておいてください。
年の途中の転職時にも、源泉徴収票が必要になります。
新しい会社で、前の会社と今の会社を合わせて年末調整を行ってくれるため、書類が必要なのです。
そのため、転職した際は、前の会社でもらった源泉徴収票を大切に保管してください。
ちなみに、前の会社でもらう源泉徴収票は「退職所得の源泉徴収票」です。
諸事情により、会社ではなく、個人で確定申告を行う際も源泉徴収票が必要です。
以下の条件の場合、確定申告する必要があります。
この中で該当することがあれば、必ずしておきましょう。
しかし、確定申告をしておくといいケースもあります。
それは以下の項目に当てはまる人です。
この場合は、上記の条件に当てはまらなくても必要に応じて申告すれば、上手に節税することができます。
収入証明書として、源泉徴収票が必要になるケースもあります。
その例が、住宅ローンなどの高額ローンを組む時や家族の扶養に入る時です。
ローンを組む予定があるなど源泉徴収票が必要となるケースがある人は、ぜひ大切に保管しておくといいでしょう。
ご自身で計算しない以外、あまりお目にかかることがない控除額ですが、じつは2020年から一部の控除で改正がありました。
あなたの給与にも影響があるものなので、ぜひ知っておくといいでしょう。
給与所得控除が改正されました。
改正後は一律で10万円下がり、適用される上限収入は850万円、適用されてる上限額は195万円とこちらも下がることに。
そのため、年収850万円以上の人は今後の税金に影響が出ます。
給与所得 |
給与所得控除額 | |
改正後 |
改正前 |
|
~162万5,000円 | 55万円 | 65万円 |
162万5,001円 ~180万円 |
その収入金額×40% -10万円 |
その収入金額×40% |
180万円超 ~360万円 |
その収入金額×30% +8万円 |
その収入金額×40% +18万円 |
360万円超 ~660万円 |
その収入金額×20% +44万円 |
その収入金額×30% +54万円 |
660万円超 ~850万円 |
その収入金額×10% +110万円 |
その収入金額×20% +120万円 |
850万円超 ~1,000万円 |
195万円 | |
1.000万円超 | 220万円 |
出典元:国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2018/pdf/04-07.pdf
礎控除も改正されました。
こちらは改正後、一律で10万円上がりましたが、改正前の誰でも38万円の控除が受けられるという条件は撤廃し、所得に応じて控除額も変動しています。
そのため、合計所得が2,500万円以上の人は一切基礎控除が受けられません。
給与等の収入金額 |
給与所得控除額 |
|
改正後 |
改正前 |
|
~2,400万円 |
48万円 |
一律38万円 |
2,400万円超~2,450万円 |
32万円 |
|
2,450万円超~2,500万円 | 16万円 | |
2,500万円超~ | なし |
出典元:国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2018/pdf/04-07.pdf
これは新しく追加された控除になります。
年収850万円以上の人に適用される制度で、生計が一緒の中に22歳以下の人、もしくは特別障害者がいる人には、給与所得から一定の金額が控除される仕組みです。
ただし、この制度を受けるには、「給与所得者の所得金額調節控除申告書」の提出が必要になりますので、ご注意ください。
源泉徴収票の見方を知る機会は少ないです。
何かのきっかけがない限り、じっくり目を通すこともないですが、見方を知ればどのようにすればいいのか見えてきます。
もらったからといって、サッと目を通すのではなく、前年度のものと比較したりするなどして、お金と向き合ってみましょう。
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