保険年金
2022年に改正される年金受給。
これまで年金の早期受給と言うのは少なからずデメリットがありました。
そのデメリットに関しは、政府も理解をしていたので今回の改正によって、早期に受け取りやすくなったのです。
では、具体的にどのような改正がなされるのかについて、これから解説をいたします。
早期年金受給が改正される、3つの改正点について解説します。
改正される事によって、これまで存在した早期受給のデメリットが緩和されています。
いつから年金を受け取るかは人によりますが、早期受給を考えている方は下記の改正だけは覚えておくようにしましょう。
年金の早期受け取りをした場合に減額される割合が引き下げられました。
引き下げ率は以下の通り。
0.5%⇒0.4%/月
最速で60歳から受け取る事ができる年金ですが、本来の受給年齢である65歳から1ヶ月早めるごとに、0.5%ずつ引き下げられていました。
1ヶ月あたりのもらえる金額が少なくなるので、長生きすればするほど本来もらえていた金額が、どこかのタイミングでひっくり返るのです。
例えば60歳でもらい始めた場合、多くの方は77歳くらいで総受取額がひっくり返るので、それ以降は本来もらえていた受給金額よりも減っていくのです。
しかし、0.4%に引き下げられたことで、総受取額が同じになるのが81歳前後になります。
日本人の平均寿命を見ると、男性が81.25歳・女性が87.32歳なので、以前よりも損をする金額が少なくなり、利用しやすくなったと言う訳です。
会社に勤めていた方が毎月積み立てていた厚生年金ですが、実は一定の基準を超えると一部が支給停止になります。
具体的には60歳~64歳の方は(月給+直近1年間の賞与÷12)+(特別支給の老齢厚生年金÷12)=28万円を超えると、老齢厚生年金を受け取れませんでした。
また、65歳以降の方は(月給+直近1年間の賞与÷12)+(老齢厚生年金÷12)=47万円を超えたら、同様に支給停止となります。
しかし、2022年の改正によって年齢関係なく、47万円に引き上げられます。
これによってもらえない可能性がある方も、もらえるようになったのです。
もちろん、厚生年金で28万円を超える方というのは、結構な高給取りの方ではあるので対象となる方は一部かもしれません。
しかし、もらえる金額が増えるので対象となる方にとっては、かなりの恩恵となります。
従来であれば65歳以降の加入していた厚生年金の金額が決定するのは、退職後1ヶ月か70歳になってからでした。
つまり働き続けいるかぎり厚生年金の金額が変わらないので、65歳以降に厚生年金に入り続けるメリットがあまりなかったのです。
しかし、それが1年毎に金額が決定されるように改訂されました。
これによって厚生年金に加入し続ける限り毎年もらえる金額が増えるようになったのです。
人によっては年金をもらう時期を早めたためにもらえる金額が少なくなっていた方もいるでしょう。
しかし、厚生年金に入り続ける事で年金の受取額を増やす事ができるので少なくなってしまった年金のカバーをする事ができるようになりました。
2022年に行われる年金受給の改正点ですが他にもいくつかめぼしい変更点があります。
その中でも特に注目の改正について解説します。
年金の受給開始を遅らせる事もできるようになりました。
今までは70歳までだったのが75歳になったのです。
受給開始を遅らせるメリットはもらえる金額が増える事です。
平均寿命が長い日本においては75歳以降も生き続ける人が多いので、少しでも老後の資金を増やしたいという方にはおすすめです。
1か月単位で年金受給の開始時期を遅らせる事ができるので、自分のタイミングでもらうようにしましょう。
終身雇用が崩壊した現代において、パートやアルバイトなどの短時間労働者でもっている会社は少なくありません。
そういった方々の厚生年金の加入条件が拡大されました。
これまでは従業員501人以上の事業所で働いている事が条件でしたが、2022年には101人以上、2024年からは51人以上に引き下げられます。
これによって、厚生年金に入れる人が増えるので、将来もらえる年金が増えるようになります。
また、厚生年金は健康保険とセットで加入する事になります。
つまり傷病手当や出産手当ももらう事ができるのでこれまで以上に従業員が守られる改正と言っていいでしょう。
年金の早期受給の改正についてお伝えしました。
年金の早期受給をしてももらえる金額の引き下げ率が下がった事でもらいやすくなりました。
また、働き続ける方は厚生年金に入る事で、減った年金を増やしやすくできるようにもなったので上手く使うようにして下さい。
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