資産運用
新型コロナウイルスは世界中の経済に大きな影響を与え、2020年前半は非常に不安定なマーケット環境となりました。
足元では株価は回復基調にありマーケットも落ち着きを取り戻しつつあるものの、感染拡大の再発の可能性もあり、引き続き警戒感の抜けない市場環境となっています。
このような環境下で、他の不動産投資家は今後どのような動きをするのだろうと気にされている方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、投資家へのアンケート結果をふまえ、今後の投資家の動向について言及をしていきます。
野村不動産アーバンネット株式会社が2020年6月に実施した不動産投資家向けアンケートでは、「自分の投資物件に新型コロナウイルス感染拡大による経済的な影響を受けている」と回答した投資家は39%となりました。
経済的な影響を受けていると回答した投資家へ「具体的にどのような影響が出ているのか?」とアンケートをしたところ、以下のような結果となりました。
・空室が埋まらなくなった 32.0%
・賃借人の家賃滞納が増えた 28.9%
・賃借人の退去が増えた 22.7%
・所有不動産の一部を売却せざるを得なくなった 6.3%
・その他(賃料の減額、入居の遅延、売却期間の延長等) 32.8%
新型コロナウイルスの完成拡大防止のための移動制限により、物件の内覧機会が減ったことや、飲食・サービス業の売上減による雇用・給与調整の影響が、不動産にも出始めているということでしょう。
前述のように不動産にも具体的な影響が出始めている中、投資家は今後の不動産価格の動向をどのように捉えているのでしょうか?
同じく野村不動産アーバンネット株式会社が「1年後の不動産価格はどうなると思うか」というアンケートを不動産投資家あてに実施したところ、以下のような結果となりました。
・上がると思う 7.7%(前年比▲4.0%)
・下がると思う 57.2%(前年比+12.2%)
・横ばいで推移 35.1%(前年比▲8.3%)
つまり、半数以上の投資家が今後の不動産の下落を予想しています。
なお、昨年のアンケート結果は、上がる:11.7%、下がる:45.0%、横ばい:43.4%でしたので、コロナの影響を受けて不動産価格が下がるであろうと考える投資家が増えていることがわかります。
なお、上がる・下がる・横ばい、何故そのように考えているかという主な理由は以下の通りです。
・金融緩和で通貨の価値は大幅に下がるため、実物資産の価格は上昇する。
・市場における資金過剰状態は変わらず、実物資産に投資の流れは続く。
・新型コロナウイルスの影響を受け、実体経済が悪化し、不動産価格にも影響が出る。
・新型コロナウイルスの影響を忌避し、売り物件が増える可能性がある。
【横ばいと考える理由】
・新型コロナウイルスの影響で不動産価格が下がった感じがしない。
・実体経済の悪化は一定程度あるものの、市場にはお金がだぶついているので、結局のところ価格は大きく動かないと思う。
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不動産価格が今後下落していくと考えている投資家が半数以上いる中で、投資家の不動産投資に対するマインド・スタンスはどのようになっているでしょうか?
野村不動産アーバンネット株式会社の実施したアンケートによると、積極的なスタンスを持っている投資家が多いようです。
【① 投資用不動産は買い時であると考えるか】
・買い時だと思う:21.2%(前年比▲0.5%)
・間もなく買い時が来ると思う:55.1%(前年比+18.3%)
・しばらく買い時は来ないと思う:23.7%(前年比▲17.8%)
【② 今の不動産投資へのスタンスはどのように考えているか】
・積極的に新規投資を行う:45.9%
・状況が落ち着くまで、当面新規投資を控える:36.7%
・物件の売却を考えている:11.8%
・その他:5.9%
【③ 中長期的にどのような投資行動を考えているか】
・投資用物件の買い増しを検討したい:61.7%(前年比+13.2%)
・買い替えを検討したい:22.6%(前年比▲9.3%)
・現在保有する物件を持ち続けたい:10.9%(前年比▲4.4%)
・現在保有する物件を売却したい:3.2%(前年比▲0.8%)
・その他:1.6%(前年比+1.3%)
①のアンケートから、投資用不動産が買い時あるいは間もなく時が来ると思っている投資家が76.3%もいることが分かります。
特に、間もなく買い時が来ると思う投資家の増加率は顕著で、仮に新型コロナウイルスの影響で不動産価格が下がったら買いだと虎視眈々と狙っている投資家が増えているといえるでしょう。
②・③のアンケートからも、不動産投資に対して積極的なスタンスを継続している投資家が多いことが分かります。
新型コロナウイルスの実体経済への影響具合を慎重に見極めるスタンスの投資家は一定程度いるものの、不動産投資から手を引こうと考えている投資家は少数であるといえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響で、現時点での投資家のスタンスは若干慎重姿勢に変わったものの、不動産投資に対する積極的な姿勢は根本的には変わっていません。
不動産という資産の安定性が評価されていること、低金利環境下で不動産に代わる資産がないことから、不動産の人気は今後も衰えることはないでしょう。
今後、新型コロナウイルスの影響で不動産価格が下がれば、待ち構えていた投資家が一斉に購入に走る可能性もあります。
そのようなチャンスを逃さないためにも、現環境下で買う買わないを問わず、物件情報やマーケット情報の収集を絶やさないことが、大切であると考えます。
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