資産運用
年2回、財務省から発表される「日本の財政関係資料」を皆さん読んだ事はありますでしょうか?
FPや金融に携わる人は良く目にする資料ですが、一般の方にはあまり馴染みのない資料かもしれません。
資料には、日本の財政が詳しく書かれています。分かりやすくお伝えすると、日本の家計簿が記されているのです。
(参考URL:https://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/panfindex.html)
毎年、莫大な赤字を出し、かつ長期にわたり赤字を積み重ねている日本。コロナウィルスの影響でさらに赤字は膨らみました。
これから起こりうること、それは増税や物価上昇など私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。
今回はインフレに備えた家の持ち方についてお伝えしていきます。
【INDEX】 ■日本の財政状況 ■インフレとは ■家の持ち方について ■最後に |
日本の家計簿は「一般会計」に記されています。家計簿でいうところの支出は「歳出」、収入は「歳入」となります。
私たちの家計簿と言葉は違いますが意味は同じなので理解しやすいかと思います。
毎年、歳入(入ってくるお金)よりも歳出(出て行くお金)が多い為、赤字部分を国債等で調整しています。
2020年10月の資料では、歳入は62兆円を見込んでいますがその年の歳出全体の約3分の2しか賄えていません。
残りの約3分の1は公債金すなわち借金となり、この借金は将来世代の負担となります。
国の財政を家計にたとえると、手取り月収30万円に対して、支出は64万円、足りない分を毎月借金しているといった状態です。
如何でしょうか?これが毎月続いているのです。
赤字を積み重ね、これ以上の借金が増えてしまうと家計は破綻、日本も破綻しかねません。
将来世代への負担が膨らみすぎています。
本来は、経済状況を見て市場に出回るお金を調整したり金利を上下したりしてコントロールすることができます。
しかし、日本においては返す術もない債務が膨らみすぎて、既にコントロールができなくなっているのが現状です。
そこで考えられること。
それは、増税や物価上昇です。
インフレ(インフレーション)とは、物価水準の上昇が続いて、貨幣価値が下がっていく状態をさします。
インフレを引き起こす要因はさまざまですが、コロナウィルスだけでなく台風や地震などの災害に加え、食料もエネルギーも輸入に依存している日本、GDPの倍の債務(借金)を抱える日本において、物の値段が上がり、貨幣価値(円)が下がるのはもはや回避できない状況と言えるでしょう。
インフレが起こると物の価値が上がります。
不動産も同様に価値が上がります。
逆に家賃なども上がりますので、持ち家があるとインフレ時は安心です。
住宅ローンを借りている場合、変動金利ですと金利も上がりますので返済中のかたは固定金利に変えるなどして毎月の
支払い額が増えないよう対策をとる必要があります。
従来のインフレであれば、物の値段が上がると同時に給与なども増え、景気が良くなるのですが、輸入依存や膨大な債務を考えるとそれは難しいかもしれません。
つまり、収入(給与)は変わらず、支出が増えてしまうということです。
家賃や住宅ローンは支出のなかでも割合が高いので改めて確認しておく必要があります。
先を予測して、備えておくことは重要です。
インフレが起こるとお金(円)の価値は下がります。
例えば、100万円で買えたものが200万円出さないと買えないということです。
資産は現金だけでなく、家やモノに変えておく、通貨も円だけでなくドルなどを保有するなど分散投資をしておく必要があります。
どうして日本は借金大国になってしまったのでしょう。
自国で通貨(円)を刷ることができる為、毎年の借金を国債等でカバーしているように見せて積み重ねてきました。
他国では、自国で刷れる紙幣を規制したり、別の機関でチェックしたりする機能があります。
日本にはチェック機能がない為、ここまで債務を膨らましてきてしまったとも言えます。
何も知らなかった、と言って逃げることはできません。
日本で生活する限り、日本の財政を知り、今後を見通して資産設計していく必要があります。
財務省の資料には、このように記載されています。
-将来世代は自ら決定に関与できなかったことに税負担を求められ、望ましくない再分配が生じる。
-国債や通貨の信認の低下などのリスクが増大する。
-2025年には団塊の世代が75歳以上となり、後期高齢者の割合が増加。1人当たり国民医療費や介護費は大幅に増加する。
このように明確に書かれているのです。
急激なインフレになった際、債務を抱える日本(国)は私たちを助けてくれません。
自分自身や家族を守る為には、自助努力が必要不可欠な時代なのです。
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