保険年金
死亡保険に加入しておくことは、とても大切なことです。
万が一のことがあったとき、死亡保障が受けられないとなれば、遺された家族は路頭に迷ってしまうかもしれません。
しかし、死亡保険金額をじゅうぶんに用意しておけば、遺された家族の生活は、きちんと守ってあげられます。
とはいえ、「死亡保険金額は、いくら必要なのか?」といった疑問を持っている人も多いでしょう。
本記事では、ケースごとで必要となる死亡保険金額や、見直しのポイントについて解説します。
必要となる死亡保険金額は、ケースごとで大きく変わります。
まずはケース別での金額について確認しておきましょう。
独身の場合は、300万円から500万円あれば十分です。
なぜなら独身の場合、「生活するために、保険金を残してあげるべき人」が、基本的にはいないから。
いわゆる「葬式代だけは......」というような考え方ですね。
ただし、「実家にお金を残してあげたい」というような事情があれば、もう少し金額を増やしてもよいでしょう。
夫婦であり、なおかつ子供がいないのであれば、1,000万円から1,500万円ほどは用意したいところです。
遺された側が生活を立て直すには、それなりのお金が必要になります。
新しい生活が定着できるまでのお金は、ちゃんと残してあげたいところ。
また「高齢であり、再婚や再就職が難しい」というケースでは、もう少し多くの死亡保険金額を用意するのがよいでしょう。
夫婦と就学中の子供、いわゆる「核家族」だった場合は、おおむね2,500万円程度の死亡保険金額が必要となるでしょう。
特に子供が独り立ちするまでには、相当にお金をかけることとなります。
また、ある程度豊かな暮らしをさせてあげたいと考えるなら、より多くのお金が必要となるでしょう。
その費用を考えれば、ざっと4,000万円は必要となるわけです。
ただし子供の年齢(≒就職し、自立して生活できるようになるまでにかかる年数)によって、多少前後する部分もあります。
このあたりは、ケースバイケースで金額を見直す必要があるでしょう。
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上記のような死亡保険金額を用意しておけば、ひとまず大きく間違えることはないでしょう。
とはいえ、死亡保険金額は、適宜見直すことが重要です。
特に以下のようなライフイベントが起こったときは、見直しをするタイミングと言えます。
子供が独立した場合は、死亡保険金額を下げてもよいでしょう。
なぜなら学費や養育費が掛からなくなるからです。
それよりも保険料を下げることのほうが、よほど効果的なケースも多々あります。
子供以外の就職・転職があった場合も、死亡保険金額を見直したほうがよいでしょう。
なぜなら就職・転職によって、収入額も変わるからです。
収入が下がるのであれば死亡保険金額を上げて、逆であれば低くする、というような形ですね。
ただし、収入額の向上を過大に受け取り、死亡保険金額も極端に下げる、というのは避けておきましょう。
また、住宅を購入したときも、死亡保険金額は見直しておきたいところです。
特に住宅ローンを組んだ場合は、大きな見直しが必要となるでしょう。
また、「団信」(団体信用保険)との兼ね合いも重要になってきます。
団信とは、一言で言えば「世帯主が死亡した場合、住宅ローンの支払いを帳消しにできる」という保険です。
このことから団信は、「死亡保険の代わり」とも呼ばれています。
住宅を購入した際は、死亡保険と団信のバランスについて考える必要があります。
そういった点も含めて、住宅を購入したときは、死亡保険金額について見直すべきだと言えるでしょう。
【参考】死亡保険金額の分布をデータで解説
最後に、生命保険文化センターの調査による「各家族構成における死亡保険金額の分布」を記載します。
死亡保険金額について考える際、参考としてください。
(引用:生命保険文化センター・平成30年度生命保険に関する全国実態調査)
構成 | 死亡保険金額(万円) |
40歳未満の夫婦 | 1,616 |
40歳以上59歳未満の夫婦 | 1,524 |
末子に乳児がいる家族 | 2,230 |
末子が幼稚園児の家族 | 2,211 |
末子が小中学生である家族 | 2,178 |
末子が高校・大学生の家族 | 2,002 |
末子が就学終了の家族 | 1,170 |
60歳以上の夫婦で無職 | 921 |
死亡保険の金額は、本人及び家族にとって、たいへん重要な要素です。
適切な保険料と死亡保険金額が確保できていれば、万が一の事態にも安心できるでしょう。
特に「遺された家族の生活を、一定水準で保障する」というのは、とても大切なこと。
大切な家族に苦労をかけないためにも、必要な死亡保険金額については、しっかりと考えておきましょう。
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