副業
副業解禁という文化がスタートしてから、もうずいぶんと時間が経っている。
そして、驚くほど順調に、副業という文化は浸透し始めた。
日本経済新聞によれば、主要企業のうち5割ほどが、副業を容認している。
ちなみに、副業とはまったく無縁に見えるANAですら副業容認を発表している。
ANAが副業を解禁した直接的な原因は、新型コロナウイルス騒動による業績低迷であろう。
とはいえ、副業解禁の潮流が強まっているという部分も多少は絡んでいるはずだ。
もし副業が受け入れられつつある世論でなければ、この選択は考えられなかったであろう。
というように副業解禁の流れは、以前にも増して強くなっている。
これはチャンスでもあり、一方で「警鐘」でもあるのだ。
つまり「会社だけでは生活を面倒見きれないから、副業である程度は自立してくれ」というメッセージでもある。
つまり今後、「副業があって初めて、普通の生活が送れる」という世界観になるかもしれないのだ。
とはいえ、副業が解禁されたとて、何をすればいいか悩んでいる人も多いだろう。
筆者はフリーランスのWEBライターであり、会社員が副業としていることを「本業」としている人間だ。
その立場からアドバイスするとなれば、とにかく「スキルを棚卸しすること」から始めよう。
要するに、「今、自分は何ができるか」を点検するというわけだ。
これをやっているかやっていないかで、副業の難易度には雲泥の差が生まれる。
副業を始める前に、絶対にやっておいてほしい。
筆者の場合だと、
• 短編小説を書ける
• ニュースの原稿を書ける
• 作詞ができる(作曲はできない)
• ギターが弾ける
というようなスキルが、当時の「棚卸し」によって引っ張り出されてきた。
これらのスキルから、「何か副業として成立しうるものがないか」を考えるわけだ。
筆者の場合、上記4つとも仕事につながっている。
短編小説は、アドセンス広告収入を月20,000円ほど生んでいる。
ニュースの原稿は、関西圏のマイナーなラジオで読まれていて、月30,000円ほどの収入になる。
作詞についてはまだ発展途上だが、すでにわずかながら収入になっている。
筆者は割と不器用というか、できることが少ない方なので、棚卸できたスキルの数は少なかった。
しかし多くの人は、筆者よりもたくさんのスキルを引っ張り出してこれるだろう。
もちろん、「今すぐに副業として成立しないスキル」もあるだろう。
しかし、今はそれでもかまわない。
そのスキルを磨くことで、「副業になるレベル」まで昇華させればいい。
イチから新しいスキルを身に付けるのは時間がかかるし、そもそも身に付けるのが無理なケースもある。
しかし、すでに今の段階で、副業として活用でできそうなスキルが、自分の中で眠っているはずだ。
すでにスキルとしてある程度形をなしているものを磨いたほうが、よっぽど合理的である。
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はいえ副業解禁の流れは、まだ拡大している途中である。
先ほど触れたとおり、過半数以上の会社は副業を認めていないのだ。
特に昭和気質を強く残している企業は、従業員が副業に勤しむことには否定的である。
それが悪い、というわけではない。
「給与だけで生活を成り立たせる」というのが当たり前なパッケージだった名残があると言うだけである。
初歩的な話になるのだが、「副業禁止なら副業してはいけない」と思っている人も多いのではないだろうか。
結論から言えば、副業禁止でも、副業をしてはいけない、なんてことはない。
なぜなら「企業が従業員に対して、副業を禁止できる法律は存在しないから」だ。
「昭和気質の社風で副業できる空気ではない」というケースもあるだろう。
しかし、社風も空気も法律の前では無力である。
副業をしたければ、すればいい。
ものすごくストレートに表現すれば、会社にバレなければ何の問題もない。
会社に副業を隠匿するには、「副業で得られる報酬を”給与”として受け取らない」ことが重要だ。
給与として受け取っていると、経理上でそれが反映されてしまい、少なくとも「自社以外で働いている」とわかってしまう。
要するに雇われてはいけないということだ。
もしバレたら、法律上はリスクがなくても、今度こそ「社風や空気」によって圧殺される可能性も出てくる。
こういった経路で副業がバレることには、じゅうぶん注意しよう。
「副業をしていて、やっと普通の収入水準に至る」という時代がやってくるかもしれない。
もしそのような世界観において副業をやっていないなら、相当苦しい生活が待っているだろう。
時代に乗り遅れないためにも、副業を準備しておくことは重要だと言える。
仮に副業が縮小する未来があったとしても、副業はやったほうがよい。
副業をやっていれば、本業に打撃が入っても、自力でカバーできるからだ。
副業というライフラインがあるかないかで、その後の安定感は大きく変わってくる。
できるだけ早い段階で、副業を始められるような体制に移行しておきたいところだ。
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