資産運用
クレジットカードを申し込むとき、複数の国際ブランドを選ぶシーンがありますよね。
国際ブランドとは、その名のとおり世界中の国や地域で利用できるクレジットカードのブランドのことで、「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」「Diners Club」の5つを世界5大ブランドと呼んだりもします。(近年では、「銀聯(ぎんれん)」を含めて6大ブランドと呼ぶこともあります)
店頭でご自身のクレジットカードが使用できるかは、原則としてこの国際ブランドによって決まります。
そのことから、「一番使えるお店が多いらしいVisaを選んでおけば間違いないのでは?」と考えてしまいたくなりますが、そう決めつけるのは少し勿体ないかもしれません。
本稿では、クレジットカードを申し込む際、どの国際ブランドを選ぶべきかの参考としていただけるよう、クレジットカードのサービス提供の仕組みと、それぞれの国際ブランドの特徴を丁寧に解説していきます。
まずは、今さら聞けない(?)、「カード発行会社」と「国際ブランド」の関係からおさらいしておきましょう。
カード発行会社とは、その名のとおりクレジットカードを発行する会社のこと、国際ブランドとは、「Visa」「Mastercard」「JCB」「American Express」「Diners Club」といった世界中で利用できる仕組みを提供するブランドのことです。
・・・といってもイメージしにくいかと思いますので、実際のクレジットカードを例にご説明します。
たとえば、CMなどでもお馴染み「三井住友VISAカード」というクレジットカードがありますよね。
「三井住友VISAカード」とは、三井住友カード株式会社というカード発行会社が、「Visa」の国際ブランドを付けて発行するクレジットカードです。
三井住友カード株式会社は、「Mastercard」など他の国際ブランドとも契約を持つため、たとえば「三井住友マスターカード」という組み合わせのクレジットカードも発行しています。(CMで「Visa」のイメージが強いためか、あまり知られていませんが・・・)
その一方、少し違う立ち位置をしているのは、国際ブランド「JCB」です。
「JCB」は、株式会社ジェーシービーというカード発行会社が展開しており、同社の発行するクレジットカードでは、原則として「JCB」以外の国際ブランドを選ぶことはできません。
また、「JCB」は、他のカード発行会社にもブランド開放されており、たとえば楽天カードやセゾンカードなどでは、「Visa」「Mastercard」に加えて「JCB」も国際ブランドとして選択することができます。
クレジットカードの各種付帯サービスは、カード発行会社と国際ブランドのそれぞれによって提供されています。
たとえば楽天カードの人気サービス「楽天市場でのポイントアップ」はカード発行会社である楽天カード株式会社が提供しているため、どの国際ブランドを選択しても同じサービスを受けることができます。
しかし、たとえば国際ブランド「JCB」が提供するディズニー関連のサービスは、楽天カードのうち「JCB」以外の国際ブランドでは受けることができない、といった具合です。
クレジットカードのサービス提供の仕組みは、このように「カード発行会社+国際ブランド」が基本構成となっています。
これまでご説明してきたような「カード発行会社+国際ブランド」で発行されるクレジットカードは、一般に「プロパーカード」と呼ばれます。
それに対して、カード発行会社が特定の企業と提携して発行するクレジットカードを「提携カード」と呼びます。
特に人気の提携カードとして、JALやANAといった航空会社との提携カードが有名ですが、たとえば「ANA VISAカード」「ANA JCBカード」といったように、提携先企業を前面に出したカード名称やデザインが用いられることが多いようです。
提携カードの場合、カード発行会社はあくまでもクレジットカード会社(三井住友カード株式会社や株式会社ジェーシービーなど)ですが、クレジットカードの付帯サービスとして、提携先企業に関連する様々な追加サービスが設定されます。
そのため、提携先企業を頻繁に利用する方にとっては、プロパーカードよりも提携カードの方がお得になることが多いといえます。
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<クレジットカードのサービス提供者>
・プロパーカード
カード発行会社 +国際ブランド
・提携カード
カード発行会社 +提携先企業 +国際ブランド
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続いては、国際ブランドごとの大まかな特徴を整理してみましょう。
●Visa、Mastercard
アメリカ発のこの2つの国際ブランドは、クレジットカードを世界中で利用できるように決済システムを整備している決済機構です。
独自ではクレジットカードを発行せず、前述した三井住友カードや楽天カードなど、ブランド契約を締結したカード発行会社がクレジットカードを発行します。
決済に特化した国際ブランドで、全世界で使用可能な加盟店数は他の国際ブランドを圧倒しており、特にVisaはアメリカ方面に、Mastercardはヨーロッパ方面に強いといわれています。
●JCB
世界5大ブランドのうち、唯一の日本発の国際ブランドです。
ブランドを展開する株式会社ジェーシービーのほか、日本国内を中心に様々なカード発行会社でブランドが使用されています。
かつては、「国内では強いが、海外では使えない」とされていましたが、積極的な海外加盟店獲得を進めた結果、日本人観光客の多い地域を中心に加盟店は急増しているようです。(逆に、国内加盟店での優位性は弱まってきたとされています)
また、後述するAmerican Express、Diners Clubと同様、トラベル&エンタテイメントを掲げており、ディズニー関連の独自サービスや「JCB PLAZA」という海外の対面窓口で観光案内や緊急時の対応などを日本語で無料提供するなど、ブランド独自サービスの提供にも力を入れています。
●American Express、Diners Club
日本ではこれまでの3ブランドに比べて知名度はやや低いものの、世界的には大変有名なアメリカ発の国際ブランドです。
この2つの国際ブランドは、富裕層向けのハイステータスな方を主要なターゲットとしており、日本でも高額な年会費を設定しているクレジットカードが多くなっています。
高額な年会費に見合うよう、JCB以上にトラベル&エンタテイメントに力を入れているようで、一流ホテル・レストランなどの優待や空港ラウンジの利用、充実した保険の付帯や会員限定イベントの実施など、富裕層を中心に強く支持されています。
なお、American Expressはクレディセゾンや三菱UFJニコスなどのカード発行会社とブランド契約を持ちますが、Diners Clubは自社発行(日本では三井住友トラストクラブが運営)のみとなっています。
いかがでしたでしょうか。
クレジットカードを選ぶ基準として、加盟店数の多さが重要なことは間違いありませんが、国際ブランドごとに提供サービスの特徴があり、一つに絞り込むのは勿体ないと感じないでしょうか?
調査機関により違いはありますが、成人一人あたりのクレジットカード保有枚数は概ね2~3枚程度とされており、現実に多くの方が複数のプロパーカードまたは提携カードを使い分けていることが伺えます。
それであれば、敢えて国際ブランドを1つに絞り込まずに、クレジットカードごとに国際ブランドを複数所有するのも“アリ“かもしれませんね。
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