資産運用
銀行の預金だけではなかなかお金が増えない超低金利時代の中、年々資産運用に対する意識が高まっています。
また老後2,000万円問題や新型コロナウイルスの影響で世界経済が不安定ということもあり、今若い世代を中心にiDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を活用しながら自ら資産運用を始めるという人も増えています。
iDeCoについては、2017年の法改正により加入範囲が拡大したことから制度の認知度も高まっており、2021年5月時点で加入者が200万人を突破しました。
同じくつみたてNISAに関しても、若い世代を中心に口座開設数が右肩上がりとなり、特に20代・30代が制度を利用して資産運用を始めていることが分かります。
出典:運営管理機関連絡協議会作成「確定拠出年金の統計資料(2021年5月時点)」より
出典:金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況調査(2021年3月末時点)」より
資産運用についてはどの金融商品で運用するのか、どんなポートフォリオを組むのかが非常に大切ですが、初心者の人でも比較的始めやすいのが投資信託でしょう。先程のiDeCoやつみたてNISAなどの制度を利用する際も取引の中心となるのは投資信託です。
今回は資産運用のキホンとして、投資信託の仕組みやコスト、係る税金について見ていきましょう。
【INDEX】 ■投資信託とは ■インデックスファンドとアクティブファンドは何が違う? ■投資信託に係るコストと税金について ■最後に |
投資信託とは、多数の投資家からお金を集めて莫大な資金を作り、ファンドマージャ―と呼ばれる運用の専門家がその資金をもとに様々な金融商品に投資して運用していく商品になります。その後得られた運用成果は、投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みとなっています。
現在販売されている投資信託の数は約6,000種類近くもあり、商品毎の運用方針によって、株式、債券、不動産、コモディティなど何で運用されるのかが決められています。
また日々価格が変動し、預金と違って元本が保証されているわけではありません。商品の中身によっては非常にリスクが高いものもありますので、投資する際はきちんと中身について理解しておくことが大切です。
投資信託の種類として、大きく以下の二つに分けることができます。
◇指数連動型のインデックスファンド
簡単に言うと、指数の値動きに連動するように作られた投資信託のことです。
インデックスファンドが連動する指数としては以下のようなものがあります。
・日経平均株価
・東証株価指数(TOPIX)
・東証REIT指数
・S&P500(米国を代表する500社)
・MSCIコクサイ(日本以外の先進国株式)
など
基本的には指数と連動するように作られているためゆったりとした値動きとなり、iDeCoやつみたてNISAなどで運用していく場合はこちらのインデックスファンドの商品が中心となります。
◇定めたベンチマークよりも上回る運用成績を目指すアクティブファンド
定めた指数を上回る運用成績を目指すファンドのことで、その名の通りアクティブな値動きをする投資信託になります。
ファンドに組み込む銘柄については、調査や分析により厳選された銘柄で運用されていきますが、大きく利益が出ることもあれば逆に大きな損失が出ることもあり、必ずしもインデックスより有利という訳ではありません。
インデックスとアクティブについては一概にどちらが良いというものではなく、中身やコスト面など様々な視点から商品を比較する必要があります。
投資信託は、購入時、保有時、売却時などタイミングによって手数料などのコストや税金が発生します。
◇購入時手数料
購入時手数料とは、投資信託を購入する際に販売会社に支払う費用のことで、基準価額のおおよそ0~3.5%程度が一般的です。手数料率は販売会社が自由に決めることができるため、同じ商品であっても異なることがあります。
◇信託報酬
信託報酬とは、信託財産の運営・管理を行うことに対する報酬で、投資家が投資信託を保有している間毎日計算され信託財産から差し引かれます。年率0.2~3%(税別)程度が主流で、全ての投資信託において発生する費用です。
一般的に、インデックスファンドよりもアクティブファンドの方が信託報酬が高くなります。
◇税金について
投資信託に係る税金として、途中換金や売却時の利益については譲渡所得として20.315%が課税されます。
税金については取引口座によって違いがあり、例えば特定口座で取引を行えば上記税金がかかるのに対し、iDeCoやNISA口座などの非課税口座にて運用した場合は対象の期間内であれば非課税となります。
今回は、投資信託についてお話しました。
投資信託は他の金融商品と比べて、少額からでも手軽に始めることができます。また購入してしまえば、あとは専門家がお任せで運用してくれるため自分で銘柄の売買などを行う必要がありません。初心者の人でも比較的始めやすい金融商品と言えるでしょう。
しかし注意点もあります。
専門家が行うのはあくまでも運用であり、商品選び自体は自分で行わなければなりません。投資信託は証券系の商品であり元本は一切保証されていませんので、きちんと商品の中身を理解してから商品選びをすることが大切です。
投資信託に限らず、資産運用をする際は商品の仕組みやコストなど最低限の基礎知識や経済ニュースなどから日頃の情報収集を欠かさないようにしましょう。その際本記事もご参考頂ければ幸いです。
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