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不動産の一括査定サイトの注意点と上手な利用方法を教えます!

不動産の一括査定サイトの注意点と上手な利用方法を教えます!

不動産の一括査定サイトの注意点と上手な利用方法を教えます!

不動産の売却を検討する際、不動産の一括査定サイトが人気を集めています。

用意された書式に売却予定の不動産情報を入力することで、そのサイトに登録している複数の不動産業者に一斉に査定依頼できる仕組みで、自宅にいながらお手軽に売却検討ができる便利なサービスとなっています。

細かい仕様やサービス内容は各一括査定サイトによって異なるものの、多くのサイトに共通する利用者側のメリットとしては、

 

●複数の不動産業者に競わせることで、好条件の査定結果が期待できる

●各業者の販売方法・戦略などを、お手軽に比較検討できる

 

といったことが挙げられており、引越し料金や自動車売却の一括査定と同じような感覚で利用する方も多いのかもしれません。

とはいえ、高額な支出を伴う引越しや自動車と比べても、更に高額なお金が動くのがこの不動産業界です。

不動産の一括査定は便利なサービスではありますが、引越し料金や自動車売却と同じ感覚で利用すると、手痛い失敗をする危険も潜んでいます。

本稿では、不動産の一括査定サイトの利用にあたり、特に一般の方(不動産売買や業界事情に明るくない方)に知っていただきたい注意点と、その上手な利用方法について、ご説明します。

 

 

■不動産の査定と引っ越し・自動車の査定は全く違う!

 

まず、不動産売却の査定と、引越し料金や自動車売却の査定とでは、その査定金額の意味合いが全く違う点からご説明しましょう。

引越し料金や自動車売却における査定金額は、その査定業者が受注する、あるいは買い取る前提での金額です。

一度査定金額を提示すれば、容易にそれを覆すことはできませんので、いかに競合他社に競り勝つためとはいえ、相場や原価を無視した、いざ成約したら赤字となるような条件での金額提示はできないわけです。


しかし、不動産売却では、大きく事情が異なります。

 

基本的に、不動産売却での査定価格は、査定業者による買取価格ではなく、仲介で売却する際の売り出し価格です。

 

※不動産売却の買取と仲介の違いについては、こちらの記事を参照ください。
 不動産売却!「仲介」「買取」は使い分けが大事!


もっとストレートにいえば、不動産売却での査定金額には、「とりあえず、この金額で買い手を探してみましょう」程度の意味合いしかないのです。(仮に査定金額で売れなくとも、査定業者が買取の義務を負うこともなければ、差額の補填責任を負うこともありません)

不動産売却の査定と、引越し料金や自動車売却の査定には、こうした違いがあることを、まずは知っておきましょう。

 

 

■一括査定の段階では、査定金額に差が付く方がおかしい!?

 

たとえば、Xというマンションの1室について、複数の不動産業者に査定依頼を出したとします。

一般に、一括査定依頼を受けた不動産業者が根拠とするのは、直近・類似の不動産売買の取引事例ですが、こうした情報は不動産業者であれば、レインズ(Real Estate Information Network Systems)というデータベースから簡単に情報収集できます。

仮に、Xと同じマンション内で、類似した広さ・間取りの部屋が、過去1年以内に「2,900万円」「3,100万円」「3,000万円」で売買されていたとすれば、Xの相場価格は、どの業者が査定しても3,000万円前後となるはずです。(実際に室内の状況を見たうえでの査定であれば多少の金額差が付くことはありますが、限られた情報からの一括査定では、過去の取引事例を覆すほどの有力な材料が他にありません)

つまり、ある程度売買事例のあるエリアの不動産であれば、各不動産業者からの回答は、同じような相場価格・査定金額にならないとおかしい、というわけですね。

 

 

■要注意!!一括査定で、高値査定に潜む罠とは!?

 

しかし、実際に一括査定サイトでXの査定依頼をするとしたら、A社は3,000万円、B社は3,500万円、C社は4,000万円といった具合に、査定金額に大きな差が付くことは珍しくありません。

なぜ、相場価格の見立ては同じなのに、査定金額に大きな差が出るのでしょうか?


ここで思い出していただきたいのは、先ほどご説明した査定金額の意味合いです。

提示した査定金額で売れなくても不動産業者に直接的なペナルティはありませんから、自社と契約してもらうために、わざと非現実的な査定金額を提示してくるケースがあるのです。

ときには、競合他社よりも高い査定金額を怪しまれないよう、

 

●先に競合他社の査定を聞いて、それより少し高い金額を後出しで提示する

●あたかも、その会社独自の特別な売却スキームがあるように誤解させる

●この不動産(マンションなど)限定で、高値でも購入したいお客様がいると説明する

 

といったセールスを組み合わせてきたりもします。


もちろん、高値の査定金額どおりに売却できればよいのですが、買い手側の不動産業者もレインズで過去の取引事例は必ずチェックしていますので、そう簡単な話ではありません。

私が知る限りでは、何かしらの理由をつけて媒介契約を締結後に値下げを迫るケースが多いようです。

 

・近隣エリアに、競合しそうな売却物件が安く出てくることが分かりました。
⇒いまのうちに値下げして確実に売却してしまいましょう

 

・当社負担で、新聞等へ広告を打つことが決まりました。
⇒露出が増える機会ですから、値下げして確実に売り切りましょう。

 

・問い合わせはあるのですが、●●●(ちょっとした欠点)を気にされるお客様が多いようです。
 ⇒次に欠点を指摘されたら、値下げで対応しませんか?


不動産業者にとって値下げの理由は何でもよく、最終的には相場価格で売却できるよう、あの手・この手で売却活動中に売主に値下げを迫る作戦というわけです。

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■一括査定サイトの上手な使い方!

 

もちろん、全ての不動産業者がこうした悪い考えで査定しているはずはなく、一括査定サイトのサービス自体を否定するつもりはありません。(便利なサービスですから、むしろ積極的に活用してよいと思っています)

大切なことは、査定業者の提示金額だけを見て比較するのではなく、

 

●売却予定の不動産の相場価格とその根拠(取引事例のエビデンス)

●相場価格と査定価格の差分の理由

 

をしっかり説明を受け、理解したうえで、契約する不動産業者を選定することです。

特に相場価格(根拠を含む)は、どの査定業者も同じ情報を調査しているはずですから、1社だけまるで違うことを説明してきたとしたら、その業者は要注意かもしれません。

どんな優れた不動産業者でも、相場より大幅に高い金額では容易に売却できるはずがない、という心構えで一括査定を利用するのがよいでしょう。
 

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