資産運用
掛け金が全額所得控除になるほか、受取時に一定額まで税制優遇を受けられるなど様々なメリットがあるiDeCo。
そんなiDeCoを検討している人の中には、「果たして自分は加入すべきなのだろうか」と悩んでいる方も多いかもしれません。
今回の記事では「iDeCoをやるべき(やった方がいい)人」と「iDeCoをやるべきではない(よく考えたほうがいい)人」の違いをまとめてみました。
iDeCoをやるべき人は、主に次のような働き方をしている人たちです。
・公務員
・会社員
・自営業・フリーランス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ここ数年、公務員の退職金が大幅に削られており、そうした流れは今後も続く可能性があります。
iDeCoでは掛け金が全額所得控除の対象となるため、掛け金の約20%相当の税を払わずに老後の貯金へ回せることになります。
公務員の掛け金上限は毎月1.2万円と決して多くはありませんが、塵も積もれば山となるといった心持ちで加入しておくとよいでしょう。
自身が置かれている状況によってiDeCoを優先すべきか、NISAを優先すべきかが異なるものの、余裕資金があればiDeCoも加入しておくことをおすすめします。
また、会社員の場合は拠出限度額が細かく分かれているため、前もって確認しておくようにしましょう。
自営業やフリーランスに該当する場合、月6.8万円まで積立が可能と他の職業に比べて優遇されています。
国民年金にしか加入していない場合、公務員や会社員に比べて老後にもらえるお金が少ないことから、計画的に老後資金を貯めておかなければなりません。
そのため、できるだけ長い期間iDeCoを活用し、老後に備えるようにしましょう。
税制面で優遇措置を受けられるiDeCoですが、やるべきでない人もいます。
それは主に、次のような人たちです。
・預貯金が少ない人
・支払う税金がない人
iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、ある程度手持ちの資金に余裕ができた時点で開始することをおすすめします。
また、iDeCoを活用することで住民税と所得税を軽減できますが、実質支払う税金がない人はiDeCoに見出すメリットがほとんどないといえるでしょう。
ここでは、iDeCoのメリット・デメリットについて主な項目をいくつか取りあげてみました。
iDeCoの主なメリットは次の3つ。
・掛け金が全額所得控除になる
・運用中に得た利益に税金がかからない
・受取時に一定額まで税制優遇を受けられる
ひとつずつ見ていきましょう。
iDeCoで支払った毎月の掛け金は全額が所得控除の対象です。
そのため、所得からiDeCoの掛け金を差し引くことにより、住民税や所得税の負担を削減できます。
通常、利息や運用益には20.315%の税金がかかります。
しかし、iDeCoで運用して得た利益には税金がかかりません。
iDeCoは原則60歳から「老齢給付金」として受取が可能です。
また、その際に一時金(一括受取)か年金(分割受取)、あるいは一時金と年金の併用といった3パターンから受け取り方法を選択し、いずれも各種控除の対象となります。
・一時金(一括)で受取:退職所得控除の対象
・分割(年金)で受取:公的年金等控除の対象
iDeCoにはいくつかのメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
・原則として60歳まで引き出せない
・加入時・運用時に所定の手数料がかかる
iDeCoで積み立てた掛け金は、原則として60歳になるまで引き出せません。(60歳で引き出すには10年以上加入していることが条件となる)
そのため、余裕資金の中から無理のない掛け金額を設定することが大切です。
また、iDeCoを始める際は各種手数料が生じます。
開設時に加入移管時手数料がかかるほか、口座を維持させるための加入者手数料および運営管理手数料等も毎月支払わなければなりません。
金融機関によって手数料額は異なるため、事前によく確認しましょう。
iDeCoの始め方は以下の通りです。
・口座を開設する金融機関を決める
・掛け金・運用商品を決定する
・申込書に必要事項を記入する
・口座開設完了
iDeCoの口座は1人につき一口座しか持てないため、開設先の金融機関は慎重に選ぶようにしましょう。
また、掛け金は以下のように決まっています。
国民年金保険の加入状況 |
具体例 |
掛金の拠出額の上限 |
第一号被保険者 |
自営業者等 |
月額68,000円 |
第二号被保険者 |
企業型DCのない会社の社員 |
月額23,000円 |
企業型DCに加入している会社員 |
月額20,000円 |
|
DB加入者、公務員 |
月額12,000円 |
|
第三号被保険者 |
専業主婦(夫)など |
月額23,000円 |
※DC:確定拠出年金 DB:確定給付企業年金、厚生年金基金
※参考:iDeCo公式サイト
掛け金は月々5,000円以上1,000円単位で好きなように設定できますが、原則として60歳にならないと引き出すことができません。
また、掛け金額の変更は1年に1度だけ変更が認められています。(掛け金の停止はいつでも可)
今回の記事では「iDeCoをやるべき(やった方がいい)人」と「iDeCoをやるべきではない(よく考えたほうがいい)人」の違いについて、ご紹介しました。
iDeCoの節税メリットはとても大きく、老後資金を蓄えるうえで力強い存在となってくれることは事実でしょう。
しかし、その一方で誰しもがすべてのメリットを得られるわけではありません。
自身が置かれている状況を踏まえ、加入すべきかどうか、また適切な掛け金はいくらかをしっかりと考えるようにしましょう。
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