資産運用
今年に入り、値上げラッシュのニュースが続いています。
駄菓子でお馴染みの「うまい棒」は、1979年の発売以降初めて値上げを発表し、1本10円だったものが今年の4月より12円になります。
こうした値上げの要因は様々ですが、原材料や製造費、運送費の高騰、需要の拡大、天候不順などが挙げられます。
特に、コロナ禍において原油をはじめとするエネルギー価格の高騰からガソリンなどの価格上昇が家計を直撃しており、他にも様々な業種で影響を及ぼしています。
仮に今後このような物価上昇がずっと続くとすると、私たちの暮らしや家計にはどんな影響があるのでしょうか。
今回は今年値上げされるものを中心に、その内容とインフレリスクについて考えてみましょう。
【INDEX】 ■2022年、どんなものが値上げされる? ■インフレリスクとは ■最後に |
今年値上げされる身近なものを、カテゴリーごとに見てみましょう。私たちの家計に与える影響は決して小さいものではないはずです。
◆食品、生活用品
大豆や穀物(小麦・トウモロコシなど)、輸入食材価格などの上昇により食品の値上げが相次いでいます。
食用油、小麦粉、パン、パスタ、カップラーメン類、冷凍食品、ハム・ソーセージ、調味料(醤油、味噌、ケチャップ、マヨネーズ等)、お菓子など、中には20%以上値上げするものもあり、すでに今年の値上げラッシュは始まっています。
また日用品では紙おむつやティッシュ、トイレットペーパーなどの家庭紙製品についても、約10%程度の値上げが予定されています。
◆電気、ガス
東京電力をはじめとする各大手電力会社は、燃料の輸入価格高騰により電気料金を55~292円ほど値上げすることを発表しました。
また大手都市ガス会社についても168円~229円ほどの値上げが発表されています。
◆電車や高速道路などの交通費
交通関連も、料金改定により各社値上げが発表されています。
JR東日本、JR北海道、JR西日本の3社は、新幹線や一部の特急列車の指定席特急料金を4月から改定すると発表し、年末年始やGWなどは最繁忙期として通常期より400円高い料金設定となる見通しです。
また首都高速道路も4月から通行料金の改定が発表され、普通車の場合は上限料金が現在の1,320円から1,950円となり、最大で630円の値上げとなります。(ETC利用、料金距離35.7kmを超える場合)
◆医療費
今年の10月より、一定収入のある75歳以上の医療費について現行の1割負担から2割負担へと引き上げられます。
負担増とされるのは全体の約20%で約370万人といわれ、単身で年収200万円以上、夫婦で年収計320万円以上の世帯が対象となります。
◆火災保険
気候変動による自然災害の増加などにより、各損害保険会社は火災保険料を全国平均で11%~13%値上げする方針を固めました。
また契約期間についても現在の最長契約年数10年から5年へと短縮され、割引率の減少などにより実質値上げが行われます。
前項で述べたような物価上昇のことをインフレーションといいますが、モノの値段やサービスの価値が上がることによって、お金の価値が下がることを「インフレリスク」といいます。
インフレリスクは、私たちの家計にどんな影響を及ぼすのでしょうか。
近年景気の回復に伴い世界的にインフレが加速していますが、日本は年間2%の物価上昇を目指しています。
例えば、自動車を例に考えてみましょう。
毎年2%ずつ物価上昇が進んだとすると、100万円の自動車は20年後には約140万円になり、今手元にある100万円では20年後には自動車が買えなくなります。
このようにお金の価値というのは常に変化し、モノの値段が上がったら自分の資産も同じように増えていなければ実質手元の資産は目減りしていくということになります。
違う側面から見ると、貯金箱のお金や銀行に預けている預金は、増えはしないけど減りもしない代わりに元本が保証されていると思われがちですが、実は数字上の額面が保証されているだけであってお金そのものの価値は保証されていないのです。
現在のような超低金利の時代に、現金や預貯金だけに資産を置いているということは、言い換えると自分の大事な資産を常にインフレリスクにさらしている状態とも言えるのです。
今回は、今年値上げされるものとインフレリスクについてお伝えしました。
インフレが更に進み、短期間のうちにお金の価値が大幅に下落して急激な物価高が起こることをハイパーインフレと言いますが、実際にはドイツやジンバブエ、近年ではベネズエラで268万%というとてつもないハイパーインフレが起こっています。
日本でこのようなハイパーインフレが起こることは考えにくいですが、様々なリスクに備えてまずは資産を分散しておくことが大切でしょう。
一般的にインフレに強い資産といえば、株式や投資信託、不動産、金や原油などのコモディティが挙げられます。また通貨を日本円だけでなく、いくつかの外貨に分けて持っておくことも有効です。
今後は、日本のスタグフレーションを懸念する声も上がっています。様々な状況に備え、自分の資産や家計がどんな影響を受けるのかを具体的にイメージし、将来を見据えた資産形成をしていく必要があるでしょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
※本記事は2022年3月時点での情報に基づいて執筆しております。
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