資産運用
超低金利時代と言われる今、資産運用に対するニーズがますます高まっています。
しかし初めて投資や資産運用をされる方は、「いきなり株式や投資信託を購入するのは怖い」「買った後に大きく値下がりしたらどうしよう」などと不安になることがあると思います。実際になかなか一歩を踏み出せず、資産の大半を預貯金で保有している人も少なくありません。
日本銀行の調査によると、家計の金融資産を見たときに日欧米では次のようなデータが出ています。
【日本】 現金・預金 54.3% 株式・債券・投資信託等 15.7% 保険・年金等 27.4% 【米国】 現金・預金 13.3% 株式・債券・投資信託等 55.2% 保険・年金等 29.0% 【ユーロエリア】 現金・預金 34.3% 株式・債券・投資信託等 29.6% 保険・年金等 23.8% |
※日本銀行調査統計局:資金循環の日米欧比較「家計の金融資産構成」(2021年8月)より
欧米に比べ日本では、資産の大半を現金・預金で保有していることが分かります。
これまで貯金が美徳とされてきた日本社会の風潮もありますが、金利の低下・インフレリスクや経済活性化のためには今後投資や資産運用はもはや必須と言われる時代に突入しています。
今回はこれから資産形成を始めていくという方、やってみたいけどなかなか一歩が踏み出せないという方に向けて、初心者でも簡単に始められる資産運用の方法についてお伝えしていきます。
【INDEX】 ■資産運用の三大原則とは? ■ドルコスト平均法を知っておこう ■最後に |
金融商品などを活用して投資や運用を行っていく際、基本原則を実践していくことでリスクを分散させながら安定した運用実績が期待できるようになります。
基本原則 ①:長期投資
長期投資で時間を味方につけることで、運用期間が長くなれば長くなるほど複利効果が期待できます。
目先の値動きに一喜一憂するのではなく、複利の利息が利息を生む仕組みを意識してじっくりと資産を保有し続けることが大切です。
基本原則 ②:積立投資
積立投資は自分の決めたタイミングや金額で、コツコツと一定期間投資をしていく方法です。積立投資の代表的な手法として「ドルコスト平均法」があります。
少額でも始めることができ、購入のタイミングを分散することで値下がりのリスクを抑えることができます。
基本原則 ③:分散投資
「一つのかごに卵を盛るな」という格言があり、一つの資産に全てのお金を投資してしまうと、その一つがだめになってしまったら全てのお金を失ってしまうことになります。
一部の商品など偏った銘柄に投資するのではなく、商品の種類や銘柄、国や地域、時間などを分散して投資するようにしましょう。
積立投資の手法の一つに「ドルコスト平均法」というものがあります。日々値動きのあるものに対して、毎回一定金額でコツコツと商品を買い付けていく「定額購入」という方法です。
具体的に、りんごを買い付ける例で見てみましょう。
毎月価格が変わるりんごがあったとして、同じ個数を買い付ける「定量購入」と同じ金額で買い付ける「定額購入」を比較してみましょう。
「定量購入」では、毎月50個のりんごを買い付けます。
毎月の支払額は変わりますが、4か月で200個のりんごを買うことができ1個あたりの値段は100円になりました。
一方、「定額購入」の方では毎月5,000円で買えるだけりんごを買っていきます。
合計で233個のりんごを買うことができ、1個あたりの値段は86円になりました。
今回はどちらも4か月で支払った金額は同じですが、買えたりんごの数が異なり1個あたりの取得単価に差ができる結果となりました。安くたくさん買えたのは、「定額購入」の方です。
このように価格変動があるものに対して毎月同じ金額を買い付けていくことで、高いときは少なめに買って安いときにはたくさん買うということを自動でできるようになります。この定額購入のことを「ドルコスト平均法」と言います。
ドルコスト平均法を活用する最大のメリットは、手間をかけずに平均取得単価を下げられることです。
これを日々価格が変動する株式投資や投資信託の購入にあてはめてみると、市場が大きく動いて価格が下がったとしてもそこで多くの口数を買い付けることができるので、将来的に大きな損失を回避しやすくなり値上がりした際の収益が大きくなります。
初めて投資や資産運用をされるという方は、まずは少額からドルコスト平均法を意識してじっくりと積立てをしていくことをお勧めします。
人生100年時代を迎え、働き方やワークライフバランスの多様化が進む現代では、いかにしてお金と向き合うか、どのように将来を見据えて準備をしていくのかが、豊かな老後生活をおくる上で重要なポイントとなります。
これから先も現在のような低金利がずっと続くかは分かりませんが、日本経済や金利の動向、世界情勢など幅広い視野を持って、ご自身に合ったお金との向き合い方を模索していく必要があるでしょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
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