保険年金
「おひとりさま」という言葉をご存じでしょうか。
おひとりさまとは、同居する家族や身近に頼れる親族などがおらず一人で生活をしている人のことをいいます。
高齢化や多様な家族のかたち、死別や離別などおひとりさまになる理由は様々ですが、今後さらにこのようなおひとりさまが増加することが予想されています。
実際に総務省の国勢調査によると、2021年の生涯未婚率は男性が25.7%、女性が16.4%となっています。国勢調査が始まって以来過去最高を記録していますが、今後は65歳以上の高齢者のおひとりさまも増えていくと言われています。
今回はそんなおひとりさまの老後について、どのようなリスクがありどんな備えが必要なのかを踏まえ、おひとりさまの終活について今からできることをお伝えしていきます。
【INDEX】 ■おひとりさまの老後リスクとは? ■おひとりさまの終活、今からできること ■最後に |
おひとりさまの老後リスクについて考えてみましょう。
基本的には一人暮らしで身近に頼れる人がいないため、もしものことがあった場合には不安なことがたくさんあります。
例えば、生きている間の生前リスクとして、病気やけがで突然入院・手術が必要になったときの準備や手続きをどうするのか、介護や障害により一人での生活が難しくなったときに誰にサポートを依頼するのか、孤独死への不安、また詐欺や犯罪に巻き込まれる可能性といったリスクが考えられます。
次に亡くなったあとの死後のリスクとしては、葬儀の段取りや役所への手続き、遺品整理や相続手続き、自宅の処分などを誰に頼むのか、身近に頼める人がいない場合はどうするのか、こういったリスクに対してあらかじめ備えておく必要があります。
おひとりさまの老後には様々なリスクが潜んでいますが、終活を通して今からできることをみていきましょう。
急な入院・手術への備えとして、まずはかかりつけ医・かかりつけ薬局を決めておきましょう。
また入院に際して必要なものをあらかじめまとめておき、誰が見ても分かりやすい場所に置いておくのがよいでしょう。その際、少額の現金や親族・友人などの連絡先が分かるようなものも入れておくと後々便利です。
一人での生活が難しくなったときの備えとして、在宅医療や訪問看護、介護ヘルパーなどの行政サービスについて事前に自治体や担当窓口に確認しておきましょう。
併せて、介護施設や成年後見人制度などについても情報収集をしておくといざというときに役立ちます。
孤独死については、ご近所との付き合いや地域の行事、習い事やボランティアなどに参加して、社会とのつながりを持っておくことが大切です。
他にも自治体の見守り活動や安否確認サービス、室内センサーなどのIT機器についても積極的に活用していくようにしましょう。
死後のリスクについては、まずはエンディングノートを準備してみましょう。
遺言書と違い、エンディングノートには自分の想いや願い、希望する最期の過ごし方や連絡して欲しい人、遺品の処分など財産以外のことについて自由に記載することができます。
さらに必要に応じて遺言書を作成し、自分の財産を誰にいくらどのような形で引き継ぐのか記載しておきましょう。
その際、遺言書の書き方には様々な決まりがあり、間違った書き方をしてしまうと遺言書の効力が認められず、無効になってしまう可能性があるため一度弁護士などの専門家へ相談することをお勧めします。
また死後事務委任契約も有効です。
人が亡くなった後には役所への手続きを始め、葬儀の段取りや病院への清算、年金や社会保険の手続きなど様々な事務手続きが必要となります。
通常であれば、残された遺族や相続人がこうした手続きを進めていきますが、身寄りがいないおひとりさまの場合はそのような死後の手続きを進めてくれる人が身近にいません。
そのような場合に、生前のうちに死後の事務手続きを誰かに委任しておく制度が「死後事務委任契約」です。
おひとりさまについては、生前のうちに備えておいた方がいいことや準備をしておいた方がいいことがたくさんあります。死後の手続きをスムーズにするためにも、思い立ったときから少しずつ終活を進めていくようにしましょう。
今回はおひとりさまの老後リスクや終活について、今からできることをお伝えしました。
実際に年々増加傾向にあるおひとりさまですが、自分の意思にかかわらず誰もがおひとりさまになる可能性があり、そうなったときに向き合わなければならないのが終活です。
どのような理由でおひとりさまになるのかは人それぞれですが、自分一人で生活ができなくなってしまった場合や亡くなったあとの手続きについては、生前の元気なうちから準備を進めておきましょう。
また専門知識が必要な相続などの分野では、一人で悩まずに専門家を交えて有効な相続対策をしておくことが重要です。
終活を通して人生の振り返りを行い、最期まで自分らしい生き方を設計していきましょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
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