資産運用
近年、金の価格が値上がりを続けています。
2020年、40年ぶりに1gあたり7,700円台の高値を更新しましたが、今年の4月ついに1gあたり8,800円台を突破しました。
昔から金は「有事の金」と言われ、その希少性から世界中で価値が認められている資産です。仮に国が破綻して紙幣価値がなくなったとしても金の価値がなくなることは考えにくく、世界中の中央銀行や政府が準備資産として金を保有しています。
金というととても高価なイメージやお金持ちが持つイメージがあるかもしれませんが、実は一般の方でも気軽に購入することができます。
今回はそんな金について、金投資のキホンやメリット・デメリットをみていきましょう。
【INDEX】 ■金とは?どんな投資方法があるの? ■金投資のメリット・デメリットを整理しよう ■最後に |
金とは輝きをもった金属で、軟らかい性質から薄く延ばしたり広げたりすることができ加工しやすいという特徴があります。
また長い年月を経ても変化しにくく、酸やアルカリに強いため溶解しても金そのものの性質は変わりません。
こうした金への投資方法ですが、大きく分けて「現物取引」と「証券取引」の二つに分けることができます。
◆金への投資方法
・金地金(バー、インゴット)、金貨などの現物取引
金の延べ棒や金貨などの現物を購入して、売買取引をする方法です。
金の現物については、ロンドン貴金属市場協会などの厳正な審査基準をクリアしたものや、刻印が付き品質保証されたものが世界中で取引されています。
1kgや500gなど重量別に様々な種類があり、一番のメリットは手元に現物を置いておくことができるという点です。
株式や投資信託などの金融商品と違って実物資産のため紙くずになったりしませんが、一方で管理コストや紛失・盗難のリスクがあります。
・純金積立
毎月一定額を積み立てながら金を購入していく方法です。
少額から始められ、ドルコスト平均法を活かして価格変動リスクを軽減することができます。
自分で金を保管する必要がないため保管コストはかかりませんが、売買手数料が比較的高めといったデメリットがあります。
・金ETF、金関連ファンド、金先物取引
金の価格に連動する上場投資信託や、金関連の投資信託に投資する方法です。
証券会社や銀行を通じて取引をすることができ、こちらも現物を保管する必要がないため保管コストや盗難・紛失のリスクはありません。
一方で金ETFや金関連ファンドは他のカテゴリーよりも商品数が少なく、運用はファンドマネージャーに委託しますので信託報酬などの運用コストがかかります。
また金先物取引については、レバレッジを効かせて大きな金額の取引ができたり空売りができるなどのメリットがありますが、その反面大きな損失を被る可能性があるので注意が必要です。
◆金投資に係る税金
金地金や金貨などの現物取引の場合には、購入時・売却時に消費税がかかります。
また売却時に利益が出た場合には所得税の課税対象となり、取引形態によって「譲渡所得」「雑所得」「事業所得」のいずれかで申告が必要となります。
譲渡所得の場合には保有期間によって計算式が変わりますので、購入から売却までの保有期間については自分で管理をしておくようにしましょう。
金ETFや金関連ファンドなどの場合は、現物取引と異なり金融類似商品として扱われます。
一律20.315%の源泉分離課税の対象となり、特定口座(源泉徴収あり)を選択しておくと確定申告が不要、また株式や投資信託等と損益通算が可能です。
次に、金投資におけるメリット・デメリットをみていきましょう。
投資や資産運用を行う際は、投資する金融商品の特徴を踏まえ自分に合った投資対象を選ぶことが大切です。
◆金投資のメリット
・存在量に限りがあり、価値がなくなることは考えにくい
・インフレに強い
・世界共通資産のため世界中の市場で換金しやすい
・他の金融商品に比べ大きな損失をもたらしにくい
・所有して楽しめる
◆金投資のデメリット
・預貯金のような元本保証はない
・価格変動リスクがある
・国際市場での取引はドル建てのため、為替レートの影響を受ける
・利息や配当金がつかない
・金現物の場合は紛失、盗難のリスクがある
・管理コストがかかる
・取引手数料が高め
今回は金投資のキホンについてお伝えしました。
未だ長引く新型コロナウイルス感染症の影響や、ウクライナ危機、米国の金融政策など今後の日本経済や世界情勢を考えると、余裕資金の一部を安全資産といわれる金に変えておくことは分散投資という意味でも有効でしょう。
分散投資とは資産を一つものに集中させず、預金、保険、株式、投資信託、不動産などの種類を分けて投資をしたり、買付時期をずらして購入していくことです。
金は配当金や短期的な値上がりこそ期待できないものの、中長期的にみて紙幣の目減りをカバーしたり、株式や債券とは異なる値動きをするため分散効果が期待できます。
どちらかというと金への投資はキャピタルゲインで資産を増やすというよりも、リスクヘッジで通貨の一部として持っておくのがよいでしょう。
金だけでなく、効果的な資産形成を行うためには各国の経済状況や為替・金利の動きなど、様々な角度からみて投資対象を選択していく必要があります。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
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