資産運用
2022年6月13日、日本円と米ドルの為替レートが135円まで値下がりし、約24年ぶりの円安水準となりました。為替の変動には様々な要因がありますが、今回の急激な価格変動にはアメリカと日本の「金利」差もその要因のひとつとされています。
では、金利とはどのような要因によって変動するのでしょうか。現実には様々な要因が重なり合って複雑に変動するのですが、今回は複数ある要因の中から一般的なものを紹介していきます。
【INDEX】 ■金利とは ・お金の貸し借りに必要な手数料 ・短期金利と長期金利 ■金利の変動要因 ・経済 ・物価 ・市場動向 ■最後に |
まず、金利とはどのようなものなのでしょうか。
お金は経済の「血液」といわれるように、国が経済活動をする際には余っているところから必要とされているところへ効率よく流れる必要があります。このことを広い意味で「金融」というのですが、その一役を担っているのが銀行などの金融機関です。
銀行は、私たち個人のお金を預金として預かり、その預かったお金の中からお金を必要としている個人や企業に貸付を行なって効率の良いお金の流れを作っています。その際に、お金を借りた人がお金を貸した人に支払う手数料が「金利」です。
しかしこの金利は、貸し付ける期間や、借りる人の属性、借りる目的などによって大きく変動します。
また、その他にも時代によってその国の経済状況や外国との関係などによって水準自体が変動します。
金利には大きく分けて2つの種類があり、貸し借りの期間によって『短期金利』と『長期金利』に分けることができます。
短期金利は取引期間が1年未満の資金の貸し借りをする際の金利で、日本銀行が公開市場操作を通じて調整を行う無担保コール翌実物レートが代表的な指標となっています。
長期金利とは、取引期間が1年以上の資金を貸し借りする際の金利で、代表的な使用は新発10年国債の利回りがあります。
一般的には長期で貸し付ける方がリスクが高くなるので長期金利の方が高くなる傾向があります。
では、これらの金利の水準はどのような要因によって変動するのでしょうか。一般的に考えられる要因について見て行きましょう。
まずは経済の動向です。経済が活発になるとモノがよく売れて企業の業績が良くなり従業員の賃金も上昇します。賃金が上昇すると人々の購買意欲が増し、お金の需要も増えます。そうすると銀行がある程度金利を引き上げても企業や人々はお金を借りてくれるので、金利が上昇する傾向にあります。
逆に景気が後退する場面では、金利が高いとお金を借りてくれないので金利を引き下げることになり、金利低下の要因となります。
景気が良くなる ▶︎ 金利上昇
景気が悪くなる ▶︎ 金利低下
次に物価の動向です。物価とはモノの価値のことで、お金に対してモノの価値が上昇することを物価上昇といいます。
物価の上昇時には購入したいモノの価値が上がるのでそれにしたがって資金需要も上がります。資金需要が上がると自ずと借り入れの需要も上がるので金利上昇の要因となります。
また、逆に物価が下がるとお金を借りないでもモノを購入することができるので借り入れの需要が減ります。なので、物価下落は金利の低下要因となります。
物価が上がる ▶︎ 金利上昇
物価が下がる ▶︎ 金利低下
最後に市場の動向です。
市場動向には主に「外国為替」、「株価」、「外国金利」が金利に影響を与えます。
外国為替では、主に円安傾向になると輸入に対するコストが上がるので物価上昇の要因となります。物価が上昇すると上記と同じように金利上昇の要因となります。円高傾向になるとその反対で金利低下要因となります。
株価は一般的に景気と連動しています。景気が良いときは企業の業績も良いので株価が上昇します。なので株価が上昇しているときは金利も同じように上昇する傾向があります。逆に株価が低迷している時は景気も後退局面なので金利も低下します。
海外金利は日本以外の金利のことを指します。世界の景気が良くなると海外の金利が上昇し、その流れ日本にも影響します。なので一般的には海外の金利が上昇すると同じように日本の金利も上昇しやすくなります。
円安 ▶︎ 金利上昇
円高 ▶︎ 金利低下
株価上昇 ▶︎ 金利上昇
株価下落 ▶︎ 金利低下
海外の金利上昇 ▶︎ 金利上昇
海外の金利下落 ▶︎ 金利低下
今回は金利が変動する要因についてまとめました。
しかし、経済や為替と金利の関係は非常に複雑であり今回紹介した通りに動くとは限りません。また、日本銀行が実施する金融政策によって金利は操作されますので、現在の日本の経済状況に対する政府等の政策の方針にも気を配っておく必要があります。
金利が変動することによって景気や物価、為替などに影響が出るのですから、金利は私たちが消費活動する中で非常に重要な概念の一つです。まずは金利と経済、物価や為替などがどのように関係しているのかの基礎を知って実生活での消費活動を有利に行えるようにしておきましょう。
Real Media メールマガジン登録完了
不定期(月1回程度)にてお役立ち情報のお知らせを
メルマガにてお送りさせていただきます
未来に向けての資産運用にご活用くださいませ。