節税
今年の住民税について確認されましたでしょうか。
個人事業主など自分で住民税を納付する普通徴収の場合は6月頃、給与から天引きされる特別徴収の場合には
5月中に勤務先へ住民税の税額通知書が送付されます。
住民税は国に対して納める所得税とは異なり、自分が住んでいる都道府県や市区町村に納める税金になります。
また所得税は所得の多寡に応じて税率が変わる「超過累進税率」を採用していますが、住民税は「所得割」と「均等割」からなり、住んでいる地域や自治体の財政によって納税額が異なる場合があるので注意が必要です。
今回はそんな住民税について、軽減できる3つの方法をお伝えしていきます。
【INDEX】 ■住民税を軽減する3つの方法 ①住宅ローン控除 ②iDeCo(個人型確定拠出年金) ③ふるさと納税 ■最後に |
具体的に、住民税を軽減する3つの方法についてみていきましょう。すぐに実践できるものもあるので参考にしてみて下さい。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りることで所得税や住民税を節税できるお得な制度で、正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。
2021年までの住宅ローン控除では、毎年12/31時点での住宅ローン残高に対して1%の控除を10年間にわたって受けることができました。
例えば4,000万円の残高があったとしたら、1%の40万円(10年間で最大400万円)を所得税から差し引くことができ、所得税で差し引ききれない分はさらに住民税からも差し引くことができます。
今年の2022年税制改正によって内容の一部が変更されますが、必ずしも控除額が減るというものではなく場合によっては期間が延長されたことにより、これまでよりも多くの控除を受けられるケースもあります。
以下、住宅ローン控除の改正点について簡単にまとめておきますのでご参考下さい。
●控除期間の延長(新築住宅のみ10年から13年へ、中古住宅は10年) ●借入限度額が購入する住宅の種類に合わせて4段階へ変更(性能の高い住宅ほど最大控除額が大きくなる) ●控除額の引き下げ(1%から0.7%へ変更) ●利用者の所得制限の引き下げ(年間の合計所得3,000万円以下から2,000万円以下へ変更) ●住民税の最大控除額引き下げ(最大136,500円から97,500へ変更) |
iDeCo(イデコ)とは、自分で作る私的年金制度で個人型確定拠出年金といいます。
iDeCoに加入すると拠出時・運用時・受取時にそれぞれ税制メリットがあり、特に拠出時の掛金全額所得控除により所得税と住民税を大きく軽減することができます。
例えば年収500万円のサラリーマンの場合、iDeCoにて月々23,000円(会社に企業年金がない場合)を支払ったとすると、所得税と住民税合わせて年間で82,800円ほど軽減することができます。
一方年収500万円の自営業者の場合、月々68,000円を支払ったとすると、所得税と住民税合わせて年間で244,800円ほど軽減することができます。
iDeCoについては課税所得が多い人ほど所得控除のメリット受けることができ、また年間の掛金が多ければ多いほど税制優遇も大きくなります。
ふるさと納税とは、簡単にいうと生まれた故郷や応援したい地域に寄付をする制度です。
通常の寄付と違い、手続きをすると後日寄付金の一部について所得税の還付や住民税の控除を受けることができます。
寄付できる金額には収入や家族構成によって上限があり、例えば30,000円をふるさと納税したとすると自己負担額の2,000円を差し引いた28,000円全額が所得税の還付や住民税控除の対象となります。
ただこれだけでは税金の先払いをしただけですが、後日寄付をした地域から特産品などのお礼の品をもらうことができます。
上記の例で計算してみると、自己負担金の2,000円は支払いますが寄付金額の30%以内のお礼の品がもらえるので、30,000円×30%として約9,000円の返礼品を受け取ることができます。
ふるさと納税については納める税金が直接減るわけではありませんが、返礼品を考慮すると間接的に税金を軽減することができると考えてよいでしょう。
今回は、住民税を軽減できる3つの方法について解説しました。
所得税と住民税は決められた金額を納めなければならない税金ですが、それぞれ納付時期が異なります。
源泉徴収される会社員の場合はどちらも同じように給与天引きされるため、いつの分の税金を支払っているのか意識することはないかと思いますが、退職や転職をした場合はタイミングによっては1年遅れで住民税の請求が来るケースもあるため注意が必要です。
住民税に限らず、税金には知っている人だけが得をする制度がいくつも存在します。またそのような方法については誰かが教えてくれるものではなく、自分から情報を得なければ知ることはできません。
税金については内容が複雑なものも多いですが、自分自身のお金や信用を守るためにも基本的な仕組みから少しずつ知識を身に着けていきましょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
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