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契約違反!なぜクレジットカードの“手数料上乗せ”はなくならないのか!?

契約違反!なぜクレジットカードの“手数料上乗せ”はなくならないのか!?

契約違反!なぜクレジットカードの“手数料上乗せ”はなくならないのか!?

「クレジットカードでお支払いの場合、手数料として5%いただいております。できれば現金でお願いしたいのですが・・・」

ときどき、居酒屋などでこうした案内を受けたことはありませんか?

お店のホームページや入口などに「クレジットカード利用可」と書かれているにもかかわらず、いざ支払うタイミングになって後出しで手数料が発生すると案内されたのでは納得いかないですよね。

著者個人も経験がありますが、こうした案内を受けると残念な気持ちになりますし、クレジットカードを使い慣れていない方のなかには言われるがままお店に手数料を支払ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

こうした問題は“手数料上乗せ“と呼ばれており、クレジットカード会社とお店(加盟店)の間で交わされた契約に違反する行為です。

なぜお店はクレジットカード会社との契約に違反してまで、こうした案内をするのでしょうか?

そして、実際にこうした案内を受けた場合にはどう対処すればよいのでしょうか?

本稿では、手数料上乗せ問題の背景とその対応について、分かりやすく説明していきます。

 

■なぜ、“手数料上乗せ”問題が起きてしまうのか!?

まずは、「なぜ“手数料上乗せ“問題が起きてしまうのか?」、その背景からご説明しましょう。

日本で「クレジットカード払い」といえば、殆どの場合は手数料のかからない「ショッピング1回払い」の利用ですが、原則として「ショッピング1回払い」ではカード利用者に手数料はかかりません。

では、日本のクレジットカード会社は、どこで儲けているのでしょうか。

大きく分けて以下2つがクレジットカード会社の利益となっています。

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<クレジットカード会社の利益>
①    クレジットカード会員からの手数料
②    加盟店(カードを利用できるお店)からの手数料

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①について、カード利用時の手数料はかからなくとも、年会費等の名目で手数料が発生するクレジットカードは多くあります。

また、クレジットカード所有者のなかには、手数料のかかる「リボ払い」等を繰り返し利用する方も一定割合でいらっしゃいます。

一般に「リボ払い」の金利は年利15%前後と非常に高く、この金利・手数料収入はクレジットカード会社の“美味しい”利益源となっています。(特に、信販系のクレジットカード会社では「リボ払い」「分割払い」の利用者割合が高い傾向にあるようです)


②について、カード利用者には手数料のかからない「ショッピング1回払い」であっても、実はお店はクレジットカード会社に手数料を支払うことになっています。

この手数料を「加盟店手数料」と呼ぶのですが、原則として加盟店の業種と売上規模によって、概ね1%前後~10%前後の間(※)に設定されているようです。

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(※)加盟店手数料率について
具体的な手数料率は各社とも非公開ですが、一般に「税金・公共料金」「病院」などの業種は手数料率が低く、「飲食業(特に接待を伴う業態)」は高いとされています。

また、大手百貨店など売上が大きな加盟店は手数料率が低く、個人商店などは高いとも言われています。
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本稿のテーマである“手数料上乗せ”の背景には、この加盟店手数料の負担が大きいことが挙げられます。

特に居酒屋など手数料率が高い業態や薄利多売で営業しているお店にとっては、クレジットカード会社に加盟店手数料を支払うと必要な利益が確保できず、やむなくカード利用者に加盟店手数料分を転嫁しているというわけです。

さらにいえば、かねてからの最低賃金引上げによる人件費上昇に加えて、最近では円安による輸入原材料の高騰やコロナ禍による集客不足が重なるなど、飲食店などを取り巻く外的環境は厳しさを増すばかり。

お店としても、生き残りをかけたギリギリの決断といった側面もあるのかもしれません。

 

■実際に“手数料上乗せ”をされたら、どうすればよいか!?

但し、どんな事情があるにせよ、クレジットカードの加盟店手数料をカード利用者に転嫁・請求するのは、おかしな話には違いありません。

お店(クレジットカード加盟店)としても、クレジットカード利用可能であることによる「集客効果」「売上増加効果」などの恩恵は受けているわけですし、殆どのクレジットカード会社は、「加盟店手数料の上乗せは禁止」であることを自社ホームページなどで公表しています。

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<参考>
『JCBでは加盟店との契約で、手数料の上乗せ行為を禁止しています。・・・(後略)・・・』
【出典】株式会社ジェーシービー 「よくあるご質問 No.391」
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お店の事情には理解できる部分もありますが、それでもカード利用者への“手数料上乗せ“が正当化されるはずはありません。


では、実際にお店で“手数料上乗せ”の案内を受けたら、どうすればよいでしょうか。

まずはお店に抗議しましょう。

お店側もクレジットカード会社との契約違反であることは認識していますので、正面から抗議されれば諦めることも多いようです。

但し、アルバイト店員などが悪気なくマニュアル通りに案内しているだけのような場合は話が通じないこともありますので、その場合はお店の責任者に代わってもらいましょう。

それでもお店が諦めない場合は、面倒ではありますが、クレジットカード会社に通報して対応してもらうしかありません。

殆どのクレジットカードにはカード裏面に会社名と連絡先が記載されていますので、電話等によって手数料上乗せを請求されたことを相談してください。


最後に1点だけ。

クレジットカードの“手数料上乗せ”がNG行為なのは間違いありませんが、現実問題として、クレジットカードを頻繁に利用していれば、それなりの確率で遭遇することになるでしょうし、契約違反するお店がある日突然ゼロになることもないのでしょう。

長時間にわたってお店に抗議したり、クレジットカード会社に通報したりするのは、カード利用者にとって強いストレスですから、「少し抗議してお店が諦めないようなら現金で支払う」などの“マイルール”を決めておく方が、快適にクレジットカードを使えるのかもしれません。

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