資産運用
私たちが生活していくにはお金が必要不可欠です。そのためには働いてお金を稼ぐ必要がありますが、いつかは働くことができなくなります。そのために私たちは将来に向けて毎月の収入から少しずつお金を貯めています。
一昔前までは銀行に預けておけばそれなりに高い金利がついて、数年である程度増やすことができました。
しかし現代では銀行に預けておいても金利はごくわずかしか付かず、物価の上昇や少子高齢化、年金受給の不安からできるだけお金を増やせるように資産運用を行う方が増えてきています。
国の制度としても「N I S A」や「iDeCo」を実施して資産運用を積極的に行える環境が整えられてきています。
しかし、資産運用には計画性が必要です。どれくらいの金額をどの程度の金利で何年間運用すればいくらになるのかなどを考えながら行う必要があります。今回はこの計算を簡単に行うための6つの係数について紹介していきます。
【INDEX】 ■6つの係数 ・終価係数 ・現価係数 ・年金終価係数 ・年金現価係数 ・減債基金係数 ・資本回収係数 ■係数を使った資産形成 ・積み立て ・まとまったお金の資産運用 ・運用しながら取り崩し ■最後に |
金利には「単利」と「複利」の2つの種類があります。資産運用としてお金を増やすことを目的とする場合には「複利」を活用する方が効率的です。しかし、複利では金利で増えた部分が次の年に元金に繰り入れられて、その金額に対して金利がつくので運用期間が長いほど計算が難しくなります。
その際に簡単に計算できるものが今回紹介する6つの係数です。これらの係数を活用して複利を計算すると「元となる金額×目的に応じた係数」だけで目的の金額を計算することができます。
では、6つの係数についてそれぞれ見ていきましょう。
現在保有する元本を一定期間、一定の利率で複利運用した場合に将来いくらになるのかを求める係数
一定期間、一定の利率で複利運用して目標額に到達するために、現在いくらの元本が必要か求める係数
一定期間、一定金額を積み立てながら一定の利率で複利運用した場合に将来いくらになるのかを求める係数
一定期間、一定の利率で複利運用しながら毎年一定額を取り崩す場合、現在いくらの元本が必要かを求める係数
一定期間、一定の利率で複利運用して目標額に到達するために、毎年積み立てるべき一定額はいくらかを求める係数
現在保有する元本を一定期間、一定の利率で複利運用した場合、毎年取り崩すことができる一定額はいくらかを求める係数
では次に、これらの係数をどのように実際の資産運用に活用していくのかをみていきましょう。
毎月一定金額を積み立てながら資産運用をする場合には、1年間で積み立てた金額に対して金利がついてお金が増えるのに加えて、毎年積み立てるので元金自体も毎年増えていきます。さらに、複利の場合では次の年にそれら全てが元金となるので計算が非常にややこしくなります。
そんな時に使える係数が「年金終価係数」です。
年金終価係数は資産運用をする対象方法の「金利」、「運用期間」が分かれば調べることができます。
例えば金利が5%、30年間積み立て運用する場合には、年金終価係数が66.439となるので、毎月2万円ずつ積み立てする場合には
20,000円×12ヶ月×66.439=15,945,360円
と計算することができます。
まとまったお金を複利で運用する場合には
次の年には金利で増えた分も元金に繰り入れて計算するので、雪だるま方式でお金が増えていきます。積み立てよりは簡単に計算できますが、この場合に関しても係数を使用した方が楽に計算できます。
この場合に使用する係数は「終価係数」です。終価係数は資産運用をする対象方法の「金利」、「運用期間」が分かれば調べることができます。
例えば金利が5%、30年間運用する場合には、終価係数が4.322となるので、まとまったお金500万円を運用する場合には
5,000,000円×4.322=21,610,000円
と計算することができます。
老後の生活では年金が生活の柱となってきますが、年金だけでは生活ができない場合には貯金から取り崩して生活していく必要があります。しかし、単純に取り崩していくよりも運用しながら取り崩す方が資産寿命を長くすることができます。
この場合にも複利を利用するので期間が長くなると計算が難しくなります。そんな時に活用できる係数が「資本回収係数」です。
例えば、65歳から30年間、5%で運用しながら取り崩したい場合は資本回収係数が0.065となるので、元金が2000万円の場合には
20,000,000円×0.065=1,300,000円(年間)
1,300,000円÷12ヶ月=108,333円(毎月)
と計算することができます。
資産運用を活用する際には金利と運用年数などから計画的に実行することが大切です。どの場合にどの係数を活用すればいいのかを判断するには慣れが必要になりますが、今回ご紹介したように係数を活用すると非常に簡単に複利の計算をすることができます。
ただし、実際の資産運用はほとんどの場合で利率が一定ではありません。また、税金等についても考慮する必要があります。なので、計算から求められる金額はあくまでも目安として取り扱うようにしましょう。
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