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先日、世界のトヨタから新型クラウンのお披露目が発表されました。
外観デザインの大胆な変更だけでなく、4ドアセダンの代表的存在として位置づけられていたクラウンになんとクロスオーバーモデルが投入されるとあって、早くも車好きの間では話題となっています。
「いつかはクラウン」といった言葉は名言でした。
クラウンの進化は、日本の自動車文化の変遷を語るうえで欠かせない要素といえますね。
ところが、近年では特に若年層を中心に“車離れ“が叫ばれています。
車を持たない理由は様々ですが、どのアンケートでも決まって上位にくるのが「維持費が高いから」というもの。
では、車(マイカー)を所有・維持するには、実際にいくらくらいかかるのでしょうか?
本稿ではモデルケースを使って、その所有・維持費を計算し、他の交通手段との比較をしてみたいと思います。
まずは、マイカーの所有・維持に必要な金額を計算してみましょう。
もちろん、購入する車種や使い方、買い替えのサイクル等によって維持費は大きく変わるのですが、おおまかな計算方法は概ね共通するはずです。
本稿では以下のモデルケースで計算してみますが、読者の皆さんも、是非ご自身のケースに当てはめて計算してみてください。
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<モデルケース>
【所有期間】
5年間
【売買代金】
購入金額300万円、売却金額150万円(いずれも税金・諸費用込み)
【自動車税】
5万円/年
【駐車場代】
2万円/月
【任意保険】
10万円/年
【車検代】
15万円/回 ※自賠責保険・税金込み
【ガソリン代・高速代】
1万円/月
【その他維持費(洗車・修理代・メンテナンス費等)】
5万円/年
<5年間の所有・維持費>
合計460万円(1年あたり92万円)
<<計算式>>
150万円(売買金額の差額)+25万円(自動車税5年分)+120万円(駐車場代5年分)+50万円(任意保険5年分)+30万円(車検2回分)+60万円(ガソリン代・高速代5年分)+25万円(その他維持費5年分)
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このモデルケースでは、マイカーの購入から売却までの5年間で必要となる維持費は合計460万円、1年あたり92万円の計算結果となりました。
こうして支出の項目や金額を書き出してみると、なるほどマイカーの維持には色々お金がかかることがよく分かります。
また、毎月発生する支出だけでなく、スポットで発生する高額な支出もあり、これもお財布に厳しいと感じる方を増やす原因といえそうです。
続いて、先ほど計算した1年間あたり92万円のマイカー維持費を、他の交通手段、具体的には「公共交通機関(電車・バス等)」と「タクシー」の利用と比較してみましょう。
マイカー維持費の年間92万円は、1ヵ月あたり約7万7千円ですから、これを基準に比較してみます。
※本稿は、マイカーの所有・維持費と“車離れ”の関係から話がスタートしているため、車移動が必須の地域ではなく、他の交通手段も用意された都市部などの地域を想定して話を進めさせていただきます。
①公共交通機関料金(電車代・バス代)との比較
たとえば、電車代・バス代の平均が片道1回300円(往復1回600円)とした場合、損益分岐点は月128往復以上です。
毎日電車・バスに乗るとしても一日4往復以上となる計算ですから、殆どの方にとってマイカーの所有・維持費の方が高いことになりそうですね。
②タクシー代との比較
たとえば、タクシー代の平均を1回3,000円とした場合、損益分岐点は月26回以上です。
ほぼ毎日タクシーを利用してやっとトントン、2日に1度のタクシー利用であれば、マイカーを所有・維持するよりもタクシーの方が安いということになりますね。
このように実際に計算してみると、マイカーの所有・維持には毎年大きなお金がかかりますし、タクシーを含む他の交通手段と比べても割高な移動手段であるケースが多いといえます。
車好きの著者としては認めたくない事実でもありますが(苦笑)、やはり「マイカーは贅沢品」であることは間違いないようです。
とはいえ、家族や友人らと、好きなときに、周囲を気にせず出掛けられるのは楽しいものですし、運転そのものに趣味性があることも否定できません。
実際、車離れした人たちも全く運転しないかといえばそうでもないようで、レンタカーやカーシェアなどは順調にサービスを拡大しています。
車種や地域・時期にもよりますが、レンタカーやカーシェアの価格相場は1日1万円前後が目安(ガソリン代・高速代は別途)ですから、たとえば月に数回の利用であれば、マイカーの所有・維持費よりも支出は押さえつつ、車移動の楽しみも一部は体験することができます。
特にカーシェアのサービス拡大は著しく、最近はマンションカーシェア(マンション住人限定のカーシェア)など、新しいサービスもどんどん展開されているようです。
時代の流れとはいえ、このまま車は、「所有から共有」に変わっていくのでしょうか?
車好きとしてはそれも少し寂しい気がしており、新型クラウンをきっかけに再びマイカーブームが起こることを期待してしまいます・・・。
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