資産運用

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年平均リターンは金融商品を選択する上で本当に重要なのか

年平均リターンは金融商品を選択する上で本当に重要なのか

年平均リターンは金融商品を選択する上で本当に重要なのか

最近では、つみたてNISAやiDeCoなどが浸透し、若い方でも積み立てをしながら資産運用に取り組んでいる方が増えてきました。資産運用をするには証券や保険、不動産、金など様々な方法がありますが、つみたてNISAでは基本的に証券投資のひとつである投資信託を利用します。
資産運用の初心者でも簡単に始めることのできるつみたてNISAですが、購入する投資信託は自分で選択する必要があり、この部分が初心者の方にとっては実際に始める上での最初のハードルなのではないでしょうか。
投資信託は様々な観点から分析して商品選びする必要がありますが、その中のひとつに「年平均リターン」といわれるものがあります。
これは、その投資信託が設定以来に出したリターンを運用年数で割って算出するものです。資産運用のセミナーなどでは、この年平均リターンを使って資産運用を始めればどれくらいお金が増えるのかを計算して資産運用の必要性を説明する場面がよくあります。
年平均リターンが10%などといわれれば非常に聞こえは良いのですが、実際その商品を購入して運用した場合の成績はどうなのでしょうか。
今回は、この年平均リターンという言葉の仕組みについて詳しく見ていこうと思います。

【INDEX】

■様々な金利

・金利とは

・単利と複利

・年平均リターン

■年平均リターンの落とし穴

・年平均リターンの計算

・リスク商品と年平均リターンの相性

最後に

様々な金利

資産運用を語る上では「金利」の考え方が非常に重要になってきます。金利とはどのようなものか、リターンと金利の細かな違いを理解していると今回の話の内容を比較的スムーズに理解できると思います。

金利とは

金利とは、お金を貸す際に手数料として貸す側が受け取るものであり、銀行などは主にこの金利を用いて商売をしています。金利を考える上では「大きさ(%)」や「元本の金額」、「期間」が非常に大切な要素です。これらの要素が大きければ大きいほど受け取れるお金(借りる側は支払うお金)の金額が大きくなります。
例えば、元金100万円を年利5%で10年間運用すると、1年間で5万円増えるので10年後には150万円になります。(単利で計算)
金利には似たような意味でも「利率」や「利回り」のように細かい違いのあるものがあったり、その金利の使われる機関や算出方法によって非常に様々な種類のものがあります。今回は基本的な「単利」と「複利」について簡単に紹介します。

単利と複利

単利とは、ひとことで表すと「運用期間中に元金の大きさが変わらない方法」です。例えば元金100万円で10年間資産運用を行う場合には10年間ずっと100万円に対して金利がかかります。
また、次に複利をひとことで表すと「運用中に金利によって増えたお金を元金に繰り入れていく方法」です。なので、複利の場合には運用中に元金部分が増えるので金利によって増えるお金の金額も増えていくことになります。
単利と複利では同じ運用成績でも複利の方がお金が増えやすい仕組みになっています。

年平均リターン

次に年平均リターンについてみていきましょう。
これまで説明してきた単利も複利も基本的には1年間(月利という概念もあります)の元金に対するリターンの話でした。
年平均リターンも同じく1年間のリターンについての話なのですが、計算方法が異なります。
例えば、10年間リスク資産で資産運用をする場合、各年の利回りは様々なものになります。+10%の年もあれば−20%の年がある可能性もあります。年平均リターンとは、これらの10年間の利回りの総額を運用年数で割ったものとなります。

年平均リターンの落とし穴

では、この年平均リターンは投資信託を選択する上で参考になる指標になり得るのでしょうか。具体的な数字を用いて細かくみていきましょう。

年平均リターンの計算

年平均リターンの計算方法は先ほど説明したように、運用期間中の各年の利回りの合計を運用年数で割って計算するものでした。年平均リターン10%と聞くと中々良い成績だと思う方が多いと思いますが、5年間運用して成績が以下のようになった場合も年平均リターンは10%となります。
1年目 +5%
2年目 −30%
3年目 +70%
4年目 −15%
5年目 +20%

リスク商品と年平均リターンの相性

では、上記の運用成績で実際に100万円を元本にして運用していた場合には5年後にいくらになっているのでしょうか。
1年目 100万円→105万円
2年目 105万円→73.5万円
3年目 73.5万円→124.9万円
4年目 124.9万円→106.2万円
5年目 106.2万円→127.4万円
となり、結果は100万円が5年間で127.4万円となります。
単純に単利と複利で5年間金利10%で計算した場合には
単利:100万円→150万円
複利:100万円→161万円
となります。同じ10%でも、単利、複利に比べて年平均リターンの方が遥かに利益が少なくなっています。
実は、毎年の利回りが10%で5年間運用できた場合の年平均リターンも10%となり、その場合には単利や複利に劣らない金利に運用成績になります。
この結果から分かることは、年平均リターンは単利や複利と違い数年後の元本の増え方が読めないということです。

最後に

今回の記事では投資信託等でよく使われる年平均リターンについて解説しました。金利やリターン、運用成績などは、その概念や計算方法をよく理解しておかないと想像していたものとは違う結果を招く可能性があります。
ネットや人の意見を鵜呑みにするのではなく、自分で十分調べてから様々な選択をするようにしましょう。

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