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室内での喫煙はNG!?賃貸物件でタバコを吸ったらどうなるのか!?

室内での喫煙はNG!?賃貸物件でタバコを吸ったらどうなるのか!?

室内での喫煙はNG!?賃貸物件でタバコを吸ったらどうなるのか!?

世間では禁煙化が進み、オフィスやレストランでも禁煙の場所が増えてきました。

喫煙者の方にとっては厳しい時代ですよね・・・

それであれば、「せめて自室では気兼ねなくタバコを吸いたい・・・」と思うお気持ちはよく分かるところではありますが、実は賃貸物件で室内の喫煙トラブルが増えていることはご存じでしょうか?

「お金を払って部屋を借りているのに、そんな馬鹿な!?」「それではどこでタバコを吸えというのか!?」と驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に退去時に大家さんから高額な費用請求を受けてしまったり、場合によっては契約期間中の退去要請を受けてしまったりするケースが起きているようです。

本当に賃貸物件では室内の喫煙はNGなのでしょうか?

NGとすればなぜ、NGなのでしょうか?

本稿では、賃貸物件での喫煙事情について、国(国土交通省)の定めるガイドラインや大家さん目線での実務にも触れながら、分かりやすくご説明していきます。

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■賃貸物件での生活における「善管注意義務」とは!?

まずは、室内での喫煙事情の前に、賃貸物件における「善管注意義務」について、お話ししておきます。

善管注意義務とは、不動産業界に限らず広く使用される民法の用語で、いわゆる「善良なる管理者の注意義務」のこと。

賃貸物件でいえば、入居者さんは借りた部屋を完全に好き勝手に使用してよいわけではなく、“社会通念上、必要とされる程度の注意”を払って生活する義務を負っています。

これに違反して部屋に汚損・破損などが生じた場合、大家さんからその原状回復費用(汚損・破損の修復にかかる費用)や損賠賠償金を請求されたり、場合によっては退去を求められたりすることもあるのです。

もちろん、善管注意義務は、入居者さんの日常生活、通常の室内使用の権利を不当に制限するものではありません。

以下は国土交通省が例示する善管注意義務違反の事例ですが、たとえば「室内の掃除を怠る」という行為に関して、ときどき掃除をサボってしまった程度では善管注意義務違反にはなりません。

恒常的に掃除を怠り、退去時に特別な清掃が必要となるなど、通常の室内利用ではおおよそ考えにくい程度といえるかが、善管注意義務違反に該当するかの目安となっているようです。

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<善管注意義務違反の事例>
・通常の掃除を怠ったことによって、特別の清掃をしなければ除去できないカビ等の汚損を生じさせた場合

・飲み物をこぼしたままにする、あるいは結露を放置するなどにより物件にシミ等を発生させた場合

【出典】
国土交通省『「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のQ&A』より抜粋
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■室内での喫煙是非は、「契約」と「ガイドライン」をチェック!!

それでは、本題の賃貸物件における室内での喫煙事情の話に入りましょう。

第一に、その賃貸物件を借りた際の契約条件のなかに、「喫煙不可」「室内禁煙」などが含まれているのかがポイントです。

特に大家さんが非喫煙者であれば、退去時にタバコのヤニや臭いが付着した室内を見るのを嫌う方もいますし、金銭的にも次の入居者さんを迎えるための原状回復工事は高額かつ長期化する傾向にあることで、大家さんの収入が減ってしまいます。

こうした事情から、賃貸時の契約書などに「喫煙不可」「室内禁煙」などと明記し、それを入居条件とする賃貸物件も増えているのです。

このパターンでは、当然ながら室内でタバコを吸わないことが契約条件ですから、原則として入居者さんはそれを遵守する必要があります。(ペット不可の賃貸物件で、ペットを飼育してはいけないことと同じですね)


第二に、「喫煙不可」「室内禁煙」などの取り決めがない場合、賃貸物件での室内の喫煙行為が、善管注意義務違反(またはそれに準じる「通常使用の範囲」を超えるのか)の判定がポイントとなります。

この点について、国土交通省のガイドラインには、「喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超える」旨の記載があります。

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<タバコ等のヤニ・臭いの扱い>
・壁、天井(クロスなど)
喫煙等によりクロス等がヤニで変色したり臭いが付着している場合は、通常の使用による汚損を超えるものと判断される場合が多いと考えられる

【出典】国土交通省『「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)』より抜粋
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つまり、契約等で喫煙禁止の取り決めがない場合、室内での喫煙は可能ではあるものの、壁や天井のクロスにヤニや臭いが付着してしまうと、退去時には原則として入居者さん負担で原状回復工事を行う、という考え方が基本となるようです。

ちなみに、この事情をご存じの入居者さんのなかには、敢えて換気扇の下やベランダで喫煙される方もいますが、換気扇自体にもヤニや臭いは蓄積しますし、「洗濯物等への臭いの付着」「受動喫煙による健康被害」などの隣室トラブルに発展する事例も報告されています。

特に、ベランダでの喫煙については、「火気禁止」「迷惑行為禁止」など建物管理規約の禁止事項に触れる場合もありますので、事前に管理会社に確認するなど、十分注意した方がよいでしょう。

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■賃貸物件での室内での喫煙は「やめておいた方が無難」が結論!

もっとも、昨今の喫煙事情に頭を悩ませているのは、喫煙者の入居者さんだけでなく、大家さんも同じです。

室内にヤニや臭いが付着した場合、一般的なルームクリーニングだけでは原状回復できないことが多く、まだ使えるはずの壁や天井のクロスを総貼り替えしたり、それでもダメならエアコンや換気扇などの設備交換や特殊清掃(オゾン消臭など)をしたりすることもあります。

当然、工事費用は高額になるわけですが、ガイドラインに沿って入居者さんに請求したとしても、すんなり応じてもらえるケースばかりではありません。(工事費用を請求できても、工事が長期化した分の収入減はそのまま大家さん負担です)

さらに、そこまで工事しても、次の入居者さんが住み始めてから「タバコ臭くて住めない」といったクレームに繋がり、ご迷惑を掛けてしまうこともあるのです。(タバコが苦手な方にとって自室で寛げないとあればお叱りはご尤もで、大変申し訳ない話ではあります)


こうした事情を考えると、やはり「賃貸物件での喫煙はやめておいたほうが無難」という結論を出さざるを得ません。

喫煙者の方にはとても心苦しい話ではありますが、建物内に喫煙所のあるマンションを探す、あるいは近くに喫煙所のある部屋を探す、などを考えていただくことが現実的な対策なのかもしれません。

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