節税
加入している保険からお金を受け取ったとき、税金がかかるものとかからないものがあるのをご存じでしょうか。
普段、皆さんが会社からもらうお給料や事業をされている方は得られた売り上げ、65歳以降に受取る年金などは所得金額や所得の種類に応じて所得税がかかりますが、保険会社から受取る保険金や給付金も同じように課税対象となる場合があります。
今回はこのような保険にかかる税金について、具体例を踏まえながら内容や注意点をお伝えしていきます。
【INDEX】 ■保険会社から受け取るお金は税金がかかる? ■受取時は税金の非課税枠を上手に活用しよう ■最後に |
生命保険や損害保険で受け取れるお金には、保険商品によって様々な種類があります。
受取時に税金がかかるものとかからないものを一度整理してみましょう。
◆税金がかかる保険金・給付金 ・死亡保険金 ・生存給付金 ・健康祝い金 ・満期保険金 ・個人年金 ・解約返戻金 など |
◆税金がかからない保険金・給付金 ・入院給付金 ・手術給付金 ・通院給付金 ・がん診断給付金 ・三大疾病保険金 ・高度障害保険金 ・介護保険金 ・先進医療給付金 ・リビングニーズ特約保険金 ・就業不能給付金 ・傷害保険金 ・火災保険金(積立型、事業用でない場合) ・自動車保険金 など |
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税金がかかる場合は、契約形態によって「相続税」「所得税と住民税」「贈与税」のいずれかが対象となります。
死亡保険金を例に見ていきましょう。
<パターン①>
契約者(夫)被保険者(夫)受取人(妻)の場合
例えば夫が亡くなったときに、妻が死亡保険金を受け取った場合です。
夫が契約者として保険料を支払い、その夫が死亡して妻が死亡保険金を受け取る場合、受け取った保険金は「相続税」の課税対象となります。
<パターン②>
契約者(夫)被保険者(妻)受取人(夫)の場合
例えば夫が妻に生命保険をかけており、妻が死亡して契約者である夫が死亡保険金を受け取る場合は、「所得税と住民税」の課税対象となります。
<パターン③>
契約者(夫)被保険者(妻)受取人(子)の場合
例えば夫が妻に生命保険をかけており、妻が死亡したあとの死亡保険金を子どもが受け取る場合は「贈与税」の課税対象となります。
税金には種類に応じた非課税枠や基礎控除額があり、その範囲内であれば原則として税金はかかりません。
パターン①の相続税については「500万円×法定相続人数」が非課税枠となり、受取人が被保険者の相続人で、死亡保険金額が非課税枠の範囲内であれば相続税はかかりません。
また相続税自体にも大きな基礎控除があり、仮に非課税枠を超えても保険金を含めた相続財産がその範囲内であれば相続税はかかりません。
パターン②の所得税については、保険金の受け取り方により所得の種類が異なり、一括で受け取った場合は一時所得扱いとなります。
受け取った死亡保険金から支払った保険料やその他費用等を差し引いたあとの金額が一時所得となり、特別控除の50万円を差し引いた後、1/2の金額が所得税や住民税の課税対象となります。
また一括ではなく数年間にわたって年金形式で受け取った場合は、雑所得扱いとなります。
パターン③の贈与税については基礎控除があります。
受取人一人あたり年間で110万円の基礎控除があり、受け取った死亡保険金やその他に贈与された金額から、110万円を差し引いた後の金額が贈与税の課税対象となります。
死亡保険金を含め、年間に贈与された金額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
上記三つの中では相続税が税金面でのメリットが大きく、相続税対策として生命保険を活用するケースもあります。
一方、贈与税については所得税計算のように払い込んだ保険料が考慮されることもなく、基礎控除の金額も小さいため税負担が高額になりがちな点に注意しましょう。
今回は、保険にかかる税金についてお話ししました。
生命保険については、契約形態によってかかる税金や控除額、税率が大きく異なります。
加入する際は、契約者・被保険者・保険金受取人を誰にするのか、受取時の税金や支払っているときの生命保険料控除など税金面も踏まえて検討するようにしましょう。
また場合によっては、保険期間中に契約者や保険金受取人を変更することも考えられます。
その際は、変更後の課税対象について事前に必ず保険会社や担当者に確認するようにしましょう。
今回は死亡保険金を例に解説しましたが、他にも満期保険金や個人年金を受け取った場合、保険を途中で解約した場合の解約返戻金など色んなケースで課税対象となる場合がありますので、それぞれの内容やご自身の状況に応じて税金対策や保険設計をするようにしましょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
※2022年12月時点の税制をもとに執筆しております。
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