資産運用
先日、「不動産業界の3冠資格」「トリプルクラウン」と呼ばれる、3つの業界資格について記事を書かせていただきました。
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<参考記事>
不動産投資に有用!不動産業界のトリプルクラウンとは!?
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過去の記事でご紹介した資格は、「宅地建物取引士」「管理業務主任者」「マンション管理士」の3つ。
特に、不動産仲介会社や不動産管理会社で働くのであれば、是非とも取得しておきたい資格ばかりです。
しかし、そうした不動産関連企業で働くのではなく、イチ投資家として資格の取得を通じて不動産投資に必要な知識を習得したいと考えた場合、実はこの3つの業界資格を同時、または順番に取得するよりも、もっとお勧めの資格(やり方)があったりします。
もちろん、上記の業界資格やこれからご紹介する資格を全て同時に学習できればベストではありますが、現実問題として、そこまでの時間やお金を投下できる不動産投資家さんは少ないでしょう。
本稿では、まだ関連知識・経験の浅い不動産投資初心者の方に向けて、必要な知識を効率よく学ぶための資格についてお話しをしていきたいと思います。
先に答えからお話ししてしまいましょう。
不動産投資に必要な知識を効率よく習得するには、ズバリ、「FP(FP技能士、通称ファイナンシャルプランナー)」と「宅建(宅地建物取引士)」の2つを活用するのがお勧めです。
まずは、FPをお勧めする理由からご説明しましょう。
著者がご相談を受けていると、「不動産取引の知識・経験がないこと」に不安を感じている方は多くいらっしゃる一方、「ご自身の状況整理・分析」への意識が薄い方が非常に多い印象です。
しかし、不動産投資は、“大きなお金”を、“長期間”に渡って、運用する特徴を持つ資産運用ですから、「いつ」「どんな物件に」「どのように」投資をするのかを、ご自身の状況(現在および将来予測)に合わせて、より個別論で考える必要があると思うのです。
少し極端な例ではありますが、たとえばご自宅購入とご出産を控えている20代のご夫婦と、住宅ローンを完済し定年退職を控えた50代のご夫婦では、今後必要となるお金の金額・タイミングは全く異なるわけで、必然、不動産投資の始め方・進め方も変わってくるはず。
不動産投資を有利に進める(失敗するリスクを減らす)には、ご自身の状況と希望に沿った“投資戦略”が、実は非常に重要というわけです。
そして、その投資戦略を練るに必要な知識を体系的に学べる資格がFPです。
FPの試験範囲は、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」となっており、必要な要素をバランスよく備えています。
是非とも、早いうちに学習すべき資格の一つだと思います。
もう1つの宅建については、3つの業界資格のうち、もっとも不動産投資の実務(特に購入時)で活用するシーンが多いと考えられる資格です。(3つの業界資格の特徴については、過去の記事で詳しく解説していますので本稿では割愛します)
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<参考記事>
不動産投資に有用!不動産業界のトリプルクラウンとは!?
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宅建の試験範囲は「民法」「宅建業法」が中心となっており、いずれも不動産購入時に必要不可欠な知識ばかりです。
FPの知識を活用してご自身に合った投資戦略を練り、実際の不動産取引では宅建の知識を活用することができれば、不動産投資を有利に進められる可能性はグッと高まるといえるでしょう。
不動産投資初心者の方にとって、FPと宅建の学習がお勧めなのはご理解いただけたとして、それぞれの資格の取得難易度にも触れておきましょう。
まずはFPから。
FPの試験制度は少し複雑で、国家検定である「FP技能検定(1級~3級)」と、民間検定である「CFP、AFP」があり、さらに検定主催者も「一般社団法人金融財政事情研究会(通称、「きんざい」)」「日本FP協会」の2団体が存在します。
本稿では、研修不要で取得できる、きんざいの「FP技能検定(1級~3級)」についてご説明します。
FPの試験では1級~3級で試験範囲に差はなく、問われる知識の深さや試験方法が異なります(1級では、対面面接でコンサルティング能力もチェックされます)が、不動産投資の実務で必要な知識レベルは、概ね2級程度と言われています。
きんざいの2級合格率(22年9月の学科試験)は15.75%、過去を遡っても概ね20%前後で推移しているようです。(参考まで、同1級合格率は12.28%、同3級合格率は43.41%でした)
次に宅建ですが、宅建には級分けなどはなく、合格率は毎年15%~18%前後で推移しています。
但し、それぞれ数字に反映しない観点があるので補足すると、原則としてFPは1級受験には2級合格(+実務経験1年以上)が、2級受験には3級合格が必要(※)となっています。
(※)指定研修修了者など例外あり
2級以上では一定の知識を持つ人しか受験できないなかでの合格率のため、実際の難易度は数字以上に高いと考えた方がよいでしょう。(特に1級ではその傾向が顕著です)
また、宅建では、不動産関連企業で働いており「従業者証明書」を事前取得すれば、5問免除(5点分が自動加算)という、不動産業界人への実質的なボーナス制度があります。
毎年の合格率は5点免除者を含んだ数字のため、免除なしで受験するであろう一般の不動産投資家にとっては、やはり実際の難易度は合格率の数字以上に高いと考えた方が無難でしょう。
どちらも簡単に取得できる資格ではありませんが、前述のとおり不動産投資をするうえできっと役に立つはずです。
いかがでしょうか。
最後に大事なことを強調して終わりますが、不動産投資家にとって真に大事なのは、資格取得そのものではなく、学習プロセスで得た知識と、その活用です。
知識を上手に活用して、より有利に不動産投資を進める環境を整えていきましょう!
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