ライフ
先日、トヨタ自動車から新型プリウスが発売されましたね。
プリウスといえば、『21世紀に間に合いました』のキャッチコピーが有名な世界初の量産ハイブリッド自動車ですが、『Hybrid Reborn』のテーマを掲げた今回の5代目モデルは特に注目度が高く、発売早々に受注停止となったことは一般メディアでも話題になりました。
車離れが叫ばれる昨今ですが、まだまだ自動車人気は健在であることを伺わせるニュースでした。
ところで、自動車を購入する際、その購入方法によって実際の支払額が大きく変わることはご存じでしょうか?
たとえば、同じ400万円の自動車を購入する場合でも、「現金一括」「ディーラーローン」「マイカーローン」といった支払方法の違いによって、その支払総額は100万円近くも変わってしまうことがあります。
それぞれの違いを理解・納得したうえでの判断であればよいのですが、著者がFPとしてご相談を受けているなかでは、そうしたご家庭は少数のようです。
そこで、本稿では、賢い自動車の購入方法をテーマに、モデルケースを使いながら分かりやすくご説明していきます。
自動車を購入する際、「現金一括」以外にも、「ディーラーローン」または「マイカーローン」といった融資を活用する方法があります。
まずは、この2つの融資の特徴を簡単にご説明しておきましょう。
ディーラーローンとは、ディーラー(販売店)が提携している信販会社や保証会社などが提供する自動車ローンの総称で、以下のような特徴があります。
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<ディーラーローンの特徴>
・ディーラー(販売店)で融資申込ができる(原則、土日可)
・融資の審査基準が比較的緩く、必要書類も少ない
・融資の審査結果がすぐに出る(早ければ当日中)
・借入金利が高い(概ね4%~9%前後)
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これに対してマイカーローンとは、ディーラー(販売店)とは関係なく、銀行や信金などの金融機関が提供している自動車ローンの総称で、以下のような特徴があります。
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<マイカーローンの特徴>
・別途、金融機関に出向いての融資申込が必要(原則、土日不可)
・融資の審査が比較的厳しく、必要書類も多い
・融資の審査結果が出るまでに時間がかかる(数日~数週間程度)
・借入金利が低い(概ね1%~3%前後)
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ディーラーローンは、ディーラー(販売店)で気に入った自動車を決めたら、その場で融資申込まで完結するという、言わば“ワンストップ・サービス“です。
マイカーローンに比べて必要書類が少なく、審査が緩くて早いことは借りる側に大きな魅力ですよね。
しかし、これを逆の視点、つまり「貸す側」から見るとどうなるでしょうか。
「少ない情報」「短い時間」で融資結果を出すことが必要なうえ、提携しているディーラーとの関係もありますから、ある程度割り切った審査とせざるを得ません。(もちろん、どんな条件でも審査に通過するわけはありません。念のため)
ディーラーローンは、貸し倒れリスクが相対的に高いことを受容し、そのリスク見合い分を金利などの融資条件で調整する前提の金融商品といえます。
その一方、マイカーローンは、「必要な情報」「必要な時間」を確保したうえで、所定の審査を行う前提の金融商品です。
一般に、ディーラーローンよりも貸し倒れリスクは低くなるため、その分は融資条件で優遇され、審査に通りさえすれば金利を大幅に抑えることが可能です。
しかし、マイカーローンの利用には、原則として金融機関を何度か訪問しなければならず、提出する書類も多い傾向にあります。
源泉徴収票や確定申告書、場合によっては納税証明書など公的機関に申請が必要な書類を求められることもあり、土日休みの会社員の方などには負担が大きいかもしれません。
さらに、審査基準が比較的厳しいことから、ディーラーローンであれば問題なく審査に通る方であっても、マイカーローンでは審査に通らないことも珍しくありません。
当初の金融機関で審査結果がNGとなれば、改めて別の金融機関に融資申込をするか、一周回ってディーラーローンに申し込むことになり、手間と時間がどんどん膨らむ懸念もあります。
では、「ディーラーローン」「マイカーローン」が向いている方は、それぞれどんな方でしょうか。
それぞれの融資の特徴から、大まかに以下のように考えることができます。
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<ディーラーローンに向いている方>
●融資の審査に自信のない方
●とにかく早く自動車に乗り出したい方
●面倒は極力避けたい方
●融資金額が少額の方
<マイカーローンに向いている方>
●融資の審査に自信のある方
●自動車の乗り出しを急いでいない方
●支払総額を極力抑えたい方
●融資金額が高額の方
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ディーラーローンは審査が緩くて早いため、融資の審査に自信のない方や、とにかく早く自動車に乗り出したい方・面倒を極力避けたい方にとってはメリットの大きい購入方法です。
また、融資金額が少額の場合、金利差はあっても、実際の支払総額はそれほど大きくならないため、やはりディーラーローンが有利かもしれません。
その一方、マイカーローンの審査に通る可能性が十分にある方や、自動車の乗り出しを急がない方・支払総額を極力抑えたい方、あるいは金利差の絶対額が大きくなる高額な融資を申し込む場合には、マイカーローンのメリットが勝るケースが多いことでしょう。
では、「現金一括」「ディーラーローン」「マイカーローン」のそれぞれの場合において、具体的に支払総額はいくらくらい変わるのでしょうか。
モデルケースを設定し、それぞれの支払総額と差額を整理したのが以下の表です。(固定金利・元利均等・返済5年)
<支払総額の比較(概算・単位:円)>
融資金額が50万円の場合、ディーラーローンとマイカーローンの支払総額の差額は約8万円、同400万円の場合の差額は約66万円となり、マイカーローンの審査に通る可能性のある方にとっては、これが「早く自動車に乗り出したい」「面倒は避けたい」に対する必要コストです。
こうした具体的な金額も計算しながら、どの購入方法を選択すべきか検討するとよいでしょう。
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