資産運用
手元に500万円ほどのお金が貯まってきたとき、資産運用が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。とはいえ、資産運用といっても方法が多岐にわたることから「どんな運用法が適しているのか分からない」「投資初心者でも取り組みやすい運用法が知りたい」といった方も多いかもしれません。
そこで、今回の記事では500万円を運用する際におすすめな投資・資産運用法について紹介します。
資金が500万円あれば、資産運用によってある程度の利益が見込めるほか、運用方法の選択肢も様々です。投資信託や債券で手堅く運用することもできれば、株などに投資してある程度大きなリターンを目指すのも良いでしょう。また、資金が500万円あるといっても、投資に回すのはあくまで余剰資金に留めることが大切です。いつ突発的な支出があるかわからないほか、場合によっては投資で大きな損失を出すかもしれません。そのため、運用に回す資金は総資産の40~50%以下にしておくことをおすすめします。
500万円の運用を始める前に、目標とする利回りを決めておくようにしましょう。利回りとは、自分が投資に回した金額に対するリターンの割合のことです。一般的に「利回り」とは1年間の利回りのことを指し、利息や分配金はもちろん、売却した損益も含みます。
利回りは高ければ高いほど大きなリターンを見込めますが、その分リスクも高くなります。その点をふまえ、投資初心者はまず「5%程度」の利回りを目指すと良いでしょう。5%と聞くと大したことがないように感じるかも知れませんが、実際はそうとも限りません。たとえば、100万円の金融商品を利回り5%で運用した場合、5年度には127.6万円、10年後には162.9万円に達します。あまり欲張りすぎず、自分が実現しやすい・リスクを許容できる範囲の利回りを設定することが大切です。
ではさっそく、資金500万円を元手に検討できるおすすめの投資・資産運用法について紹介します。ここで取り上げる500万円を元手とした投資・資産運用法は主に以下の3つです。
・投資信託
・株式投資
・不動産投資
それぞれについて見ていきましょう。
「投資信託(ファンド)」とは、不特定多数の投資家から集めた資金をひとまとめにし、それらを運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用を行う商品のことです。また、分散投資をした結果、運用成果として得られた分配金(償還金)は各投資家に分配されます。投資対象となる金融商品は運用方針に基づいてプロが決定するため、その商品に投資したらよいのかわからない投資初心者であっても、比較的チャレンジしやすい投資手法だといえるでしょう。
また、投資信託は少額から始められるのも魅力の一つです。最低投資金額は金融機関によって異なるものの、中には100円から投資信託を購入できるところも少なくありません。株やFXのように短期間で大きな利益を得るには向いていませんが、中長期的に500万円を運用していきたいのであれば、おすすめの投資手法といえます。
一方で、投資信託の運用には一定のコスト(手数料)がかかる点に注意が必要です。投資信託の運用・管理に対する対価として「信託報酬」が挙げられ、商品を保有し続けている限り支払わなければなりません。信託報酬はすべての投資信託でかかるほか、保有する信託財産に対する一定率分が支払額となります。購入しようと思っている商品の信託報酬についてあらかじめ確認しておくほか、商品ラインアップについてもあわせて確認しておきましょう。
株式投資とは、株式会社の発行する株式を売買して、配当金などの利益を得られる投資手法のことです。株式投資は主に以下の2つのいずれかを目的として行われます。
・インカムゲイン ・キャピタルゲイン |
キャピタルゲインは購入時と売却時の差額で得られる利益を目的とし、対するインカムゲインでは株式保有中に得られる配当金や株主優待を目的としています。株式投資を始める前に、どちらを主として投資をするのかを決め、それに見合った商品を選ぶとよいでしょう。
株式投資を行う際の注意点としては、元本保証がない点が挙げられます。株価の変動によって大きな損失を被る恐れがあるほか、投資した企業が倒産してしまえば購入した株が無価値となってしまうでしょう。そうしたリスクを踏まえて投資に臨むことはもちろん、主体的に社会に目を向け、幅広いアンテナを張ることが大切です。
また、昨今では日本株のみならず米国株も人気があります。最初の内は日本株に投資して経験を積み、慣れてきたら外国株に目を向けてみるのもよいかもしれません。
不動産投資とは、購入した不動産を第三者に貸し出し、そこから得られる家賃収入を主目的とした投資方法のことです。値動きの激しい株式投資やFXに比べてリスクが低い一方、入居率が維持できていれば毎月安定して家賃収入が得られることから、「ミドルリスク・ミドルリターン」な投資であるといわれています。
不動産投資でも収益を上げる仕組みとして「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」が挙げられます。インカムゲインでは毎月定期的に見込める家賃収入を主目的としており、他の金融商品のように景気変動を受けにくいのが特徴です。対するキャピタルゲインでは、投資用不動産を購入価格以上の値段で売却して利益を得ることを目的としています。バブル期にはキャピタルゲインを目的とした不動産投資が多く見受けられましたが、昨今では老後の資産形成などに対する不安からインカムゲインを主とした不動産投資が主流となりつつあります。
また、不動産投資は他の投資商品と異なり、次のようなメリットも見込めるでしょう。
・生命保険代わりになる ・節税効果が見込める ・私的年金の形成に繋がる ・インフレ対策となる |
とはいえ、不動産投資では元手が回収できるまでにそれ相応の労力と時間がかかるほか、流動性が悪く換金性が悪いといったデメリットも存在します。メリットとデメリットを理解した上で、投資に挑戦するかどうか判断するとよいでしょう。
ここまでで取り上げた500万円の運用方法はいずれも相応の変動リスクがあります。もちろん、投資である以上一定のリスクはつきものですが、できる限りリスクを抑えたいと考える方もいるでしょう。変動リスクをできる限り抑えるのであれば、「個人向け国債」や「生命保険」を活用した資産運用がおすすめです。
国債とは国(財務省)が発行する債券のことで、購入することによって年2回利子を受け取れます。また、個人向け国債には10年満期で変動金利のものと、5年満期および3年満期のもので固定金利のもの、3種類の個人向け国債が存在します。
変動10年 | 固定5年 | 固定3年 | |
---|---|---|---|
償還期限 | 10年 | 5年 | 3nenn |
金利の種類 |
6ヶ月ごとの変動金利 |
固定金利(利払いは半年に一度) |
|
金利水準 | 基準金利 | 基準金利-0.05% | 基準金利-0.03 |
最低保証金利 | 0.05% | ||
発行時期 | 毎月 | ||
中途換金 | 発行から1年経過後は額面金額にて途中換金可能。ただし、直近2回分の利子相当額(税引前)×0.79685の手数料が必要 | ||
購入金額 | 1万単位 |
※基準金利はそれぞれ同じ期間の10年利付国債の利回りとなります
個人向け国債は国が責任を持って借りた資金と金利の支払いをおこなっていることから、原則として元本割れがありません。金利は高くないものの、普通預金にお金を預けておくよりはいいといえるでしょう。個人向け国債は1万円から購入できるほか、毎月発行されているため、いつでも投資を始められるのが特徴の一つです。投資ほどのリスクは負いたくないけれど、普通預金にお金を預けっぱなしにしておくのも勿体ないと感じる方は一度検討してみるとよいかもしれません。
生命保険と一言でいっても種類はさまざまであり、中でも貯蓄型の商品は運用に活かすことができます。定期預金よりも高い利率での運用が期待できるほか、万が一の際には保険金も受け取れるため、なにかとメリットが大きいでしょう。また、生命保険控除などによる税制メリットも受けられます。その一方で、一定期間運用しないと中途解約において元本割れを起こす恐れがあるほか、解約返戻金が元本を上回るまでに一定の時間が必要といった注意点があることも事実です。そのため、短期で利益を得たいと考えている方にとって生命保険を活用した資産運用は不向きでしょう。少なくとも10年は手をつけないイメージでいることをおすすめします。
これから資産運用を始めようと考えている人は「NISA」の利用を検討するのもよいでしょう。特に投資信託や株を運用したいと考えている方は、NISAを利用することで投資で得られる利益(分配金や譲渡益、配当金)が非課税となります。現状、NISA制度は「一般NISA」と「つみたてNISA」の2つに大別されますが、税制改正の影響によって来年度から両制度が一本化され「新NISA」がスタートすることが決まっています。
新NISAの概要は以下の通りです。
現行のNISA制度 | 新NISA制度 | |||
---|---|---|---|---|
仕組み | どちらか一方 | 併用可 | ||
一般NISA | つみたてNISA | つみたて枠 | 成長投資枠 | |
年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 | 240万円 | 120万円 |
生涯非課税限度額 | 600万円 | 800万円 | 1,800万円(成長投資枠) | |
非課税保有期間 | 5年間 | 20年間 | 無期限 | |
投資枠の再利用 |
不可 |
可 | ||
対象商品 | 株式・ETF 投資信託 |
投資信託 | 株式・ETF 投資信託 |
投資信託 |
買付方法 | スポット・積立 | 積立 | スポット・積立 | 積立 |
制度が使える期間 | ~2023年末 | ~2042年末 新規買付 ~2023年 |
2024年~(恒久化) |
新NISAでは年間投資枠が大幅に増加するほか、非課税保有期間が無期限になるなど、これまでのNISAよりも使い勝手がよくなっています。まだNISAを始めていない方はぜひこの機会に検討することをおすすめします。(※2023年に現行のNISAで投資した分は別枠として管理される)
今回の記事では500万円を運用する際の考え方と、おすすめの投資手法についてお伝えしました。500万円の運用を検討されている方は参考にしてみてください。
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