ライフ
春といえば、新生活。
新生活に胸を躍らせる一方、新居への引越し代や家具家電の購入代金の支払いに頭を悩ませる方も多い季節かと思います。
そうなると、つい手を伸ばしたくなってしまうのが「リボ払い」です。
詳しくは後述しますが、リボ払いを活用することで支払いの一部を先送りできるうえ、利用するクレジットカードによってはポイントや年会費などの優遇を受けられることもあります。
新生活準備のように纏まった支出が発生するシーンでは、ついリボ払いを使ってみたくなる気持ちも分かりますが、実はリボ払いには“危険”も潜んでおり、控えめに言っても軽い気持ちで手を出すべきサービスではありません。
本稿では、リボ払いとはどういったサービスで、なにが“危険”なのか、そしてリボ払いを利用する際の注意点について、分かりやすく説明していきます。
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まずは、「リボ払い」とはどういったサービスなのかについて、簡単におさらいしておきましょう。
リボ払いとは、クレジットカードなどの支払方式の一つで、利用金額や利用件数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方式のことです。(クレジットカード以外に、消費者ローンや銀行のカードローンにもリボ払いがあります)
たとえば、「毎月定額で2万円のリボ払い(Without方式)」を設定している場合、当月のクレジットカード購入額が10万円だろうが、20万円だろうが、あるいは前月までの支払残高が50万円あろうが、100万円あろうが、月々の支払額は「2万円+手数料」となります。(与信枠超過利用など、一部例外を除く)
基本的なリボ払いの方式(種類)は以下のとおりです。
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<リボ払いの方式>
・定額方式
支払残高の大きさに関係なく毎月一定額を支払う方式
・残高スライド方式
支払残高の大きさに応じて、毎月の支払額が段階的に増減する方式
<リボ払いの手数料計算>
・ウィズイン(Within)方式
月々の支払額の中に手数料を含めて請求する方式
・ウィズアウト(Without)方式
月々の支払額とは別に手数料を請求する方式
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いずれの方式でも、特に新生活準備のような一時的に大きな支出が重なる場合、毎月の支払額を決めた金額に抑え、実質的に支払いの一部を先送りできる点は、たしかに便利です。
多くのクレジットカード会社はリボ払いのこうした利便性を強調しつつ、「ポイント優遇」「年会費優遇」「初回手数料割引(無料)」などの販促キャンペーンを仕掛けて、リボ払いの利用促進を図っています。
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しかし、冒頭にも触れたとおり、著者はリボ払いを“危険”と考えており、その理由は大きく分けて2つあります。
1つ目の理由は、「手数料が非常に高いこと」です。
一般的なリボ払いの手数料は、実質年率15%~18%程度(利用するクレジットカード会社などによって異なります)に設定されていますが、これはほぼ利息制限法における上限金利と同じ水準です。
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<参考>利息制限法の上限金利
・元本10万円未満 ⇒年20%
・元本10万円以上100万円未満 ⇒年18%
・元本100万円以上 ⇒年15%
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競争の激しいクレジットカード業界において、多くの事業者が法令の上限水準に手数料を設定していることは意外と感じるかもしれませんが、これでもリボ払いの手数料は下がった方なのです。
やや余談にはなりますが、以前は利息制限法の上限金利と刑事罰の対象となる出資法の上限金利に差があり、多くのクレジットカード会社は「利息制限法の上限以上、出資法の上限未満(いわゆる「グレーゾーン金利」)」にリボ払いの手数料を設定しており、2010年の出資法改正によって現在の水準に落ち着いた経緯があります。
現状、リボ払いの手数料は、ほぼ各社横並びで法令の上限水準に設定されていることは改めて理解しておくべきでしょう。
2つ目の理由は、「リボ払いから抜け出すのは難しいこと」です。
毎月の支払額が固定化されることは、たしかに家計の資金繰りに便利ではありますが、その一方で支払残高がなかなか減らず、長期間に渡って支払いを続ける方が出やすい商品設計となっていることも理解しておきましょう。
特に「ウィズイン(Within)方式」のリボ払いには注意で、たとえば毎月2万円ずつ返済していたとしても返済額の一部は手数料ですし、さらに支払残高が大きければ毎月の返済額に占める手数料も大きくなるため、なかなか元本返済が進みません。
実際にはリボ払いの返済中にも新規クレジットカード利用はあるでしょうから、返済元本分と新規利用分が相殺されてしまい(場合のよっては新規利用分の方が大きくなることもあるでしょう)、一度リボ払いを使ってしまうと、なかなか抜け出せない状況に陥りやすいのです。
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こうしたリボ払いの危険性を考えると、「なるべくならリボ払いは使わない」意識を持つことが大事になるかと思います。
新生活準備のような大きな金額を一度に支払うのは大変ですが、クレジットカードには一般に手数料のかからない「ボーナス払い」「分割払い(2回)」もありますし(※)、無理のない範囲で少しずつ家具・家電を揃える方法もあります。
(※)手数料有無についてはクレジットカードによって異なることもあります
また、どうしても纏まった支出が必要な場合には、銀行系のカードローン(金利が安いとはいえませんが、クレジットカードのリボ払いよりは金利が低いことが多い)もありますし、支出の理由によっては「教育ローン」など低金利のローン商品が使えることもあります。
リボ払いの前に、他により条件の良い手段がないかを検討するようにしましょう。
そのうえで、止むを得ずリボ払いを利用する際には、以下の点をくれぐれも意識してください。
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<リボ払い利用時に意識すべきこと>
①定期的に「支払残高」「毎月の元本返済額・手数料の内訳」「支払期間」を把握すること
②可能な範囲で、支払残高の繰上げを検討すること
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①について、利用するクレジットカード会社のホームページや専用ダイヤルなどで、照会日時点のリボ払いの「支払残高」「毎月の元本返済額・手数料の内訳」「支払期間」を確認できるはずです。
「なかなか支払残高が減らない」状況に陥らないよう、利用・返済計画には細心の注意を払うようにしましょう。
②について、リボ払いの手数料は非常に高いため、無理のない範囲での繰上げ返済や、場合によってはカードローンなどによる借換えも視野に入れておきましょう。
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