資産運用
2024年1月1日からNISAの制度が新しくなり、毎月非課税で運用に回せる金額の上限が大幅に拡大され、運用できる期間も無制限となります。また、積み立て投資枠で運用できる投資信託の数も現行のつみたてNISAより増えて1000銘柄程度選択できるようになります。
ただ、たくさんの銘柄を選択できるということは資産運用をしていく上で非常に大切なことではありますが、反対に沢山ありすぎることで投資信託の選択をするのが難しいというデメリットもあります。
つみたてNISAで購入できる投資信託はそのほとんどがインデックス運用であり、インデックス運用を活用する上では手数料の水準が非常に大切になってきます。
今回は投資信託の手数料について、どこに支払う手数料なのかを参考に投資信託の選び方を見ていきたいと思います。
【INDEX】 ■投資信託の手数料 ■投資信託を運営する仕組みと会社 ■各手数料の内訳 ■手数料から見る選択方法 |
まずは投資信託を購入して運用していく上で、どのような手数料があるのかを見ていきましょう。
①販売手数料:購入時に必要となる手数料
ノーロードといい販売手数料がかからないものも増えてきいます。
②信託報酬:運用期間中に必要となる手数料
運用期間中は毎年必要となってきて運用中の資産から差し引かれていくものなので運用効率に最も影響のある手数料でもあります。
③信託財産留保額:解約時に必要となる手数料
ファンドからお金が減ると、運用するマネージャーが不利になり、また同じくそこに投資をしている投資家に対しても不利益になることとなります。また、解約することでファンドで運用中の資産も売買することとなり、その際にも手数料が必要となります。信託財産留保額はそんな場合に少しでもファンドから減るお金を少なくするための手数料です。最近ではこれがゼロのものも多くなってきています。
次に、投資信託を運営する上で噛んでくる会社について見ていきましょう。投資信託を運営するには、様々な会社がそれぞれの役割を担って協力して運営しています。
その会社とは
・委託会社
・受託会社
・販売会社
の3つの会社です。
投資信託では、
まずその投資信託を企画し、そして投資家にそのファンドを紹介して、さらに集まったお金を運用・管理する必要があります。
まず、この投資信託を企画して運用方法や運用の指示を行うのが委託会社です。
そして企画された投資信託という商品をさまざまな投資家に紹介して販売するのが販売会社です。(証券会社・銀行・郵便局など)
また、投資家から集めたお金は財布を準備してしっかり管理と運用をしていく必要があります。その役割を担っているのが受託会社です。(信託銀行など)
投資信託の運営はこれら3つの会社がそれぞれの役割で協力し合って成り立っています。
となると、これら3つの会社に対して何かしらの報酬が発生するということになります。そしてこの報酬の源が私たち投資家が支払う手数料になるということなのです。
では、各手数料はどの会社の報酬になっているのでしょうか。
各手数料がどれぐらいの金額でどこに支払っているのかを見ていきましょう。
◉販売手数料
手数料の割合:約0〜3%
手数料の内訳:販売会社に支払う。
◉信託報酬
手数料の割合:約0.1〜3%
手数料の内訳:運用会社・販売会社・信託銀行で配分される
◉信託財産留保額
手数料の割合:0〜0.3%
手数料の内訳:この手数料は報酬というわけではなく資産を売買するための手数料に利用される
では、これらを踏まえてどのように投資信託を選択していくと良いのでしょうか?
まず、販売手数料はその全てが販売会社への報酬となります。販売会社とは証券会社や銀行、郵便局などですが、同じ商品の購入でも販売会社によって手数料率が変わります。
ということは、最終の運用効率が同じでも販売手数料によって利益が変わってくるということになります。ですので、運用を始めたい投資信託を見つけたら比較的販売手数料の安い販売会社から購入することがより効率的に運用を行う上で大切だということがわかります。
次に、信託報酬は委託会社と販売会社、受託会社がそれぞれで配分するとのことでしたが、その割合は受託会社が5%程度で、委託会社と販売会社がそれを半分ずつ程度に配分するのが一般的です。
信託報酬を見極める上では、同じような運用方法をとる投資信託との比較をすることが大切になってきます。
日本には非常に沢山の投資信託がありますが、その中でも非常に似通った運用内容のものがあります。そこで差が出て来るのが信託報酬です。同じ運用成果でも、毎年必要になる信託報酬が低いほうが最終的な利益は多くなります。
インデックスファンドは指標に連動するものがほとんどですので、同じ指標に連動する投資信託ですが信託報酬が異なるということもあります。ですので、どんな運用方法の投資信託がいいのかを決めた後に、同じような運用方法の投資信託を比較してより信託報酬の安い方を選択することが大切です。
投資信託の選択方法は手数料だけでなく、その投資信託を運営する上でのマネージャーの考え方や、現在のポートフォリオの状態によっても様々な考え方があります。
今回の手数料に関する内容が皆さんの今後の資産運用の手助けになれば幸いです。
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