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本当にこのままでよいの!?インボイス導入まで、あと3ヵ月!

本当にこのままでよいの!?インボイス導入まで、あと3ヵ月!

本当にこのままでよいの!?インボイス導入まで、あと3ヵ月!

いよいよインボイス制度の導入まで、あと3ヵ月となりました。

インボイス制度とは、軽減税率の開始に伴い消費税が複数税率となったことへの対策として導入される、仕入れ税額控除(※)の新たな方式のこと。

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(※)仕入れ税額控除とは、、、

納付する消費税額について、「課税売上にかかる消費税額」から「課税仕入れにかかる消費税額」を差し引いて計算すること。

<例>

・売主A社が買主B社に、11,000円(10,000円+消費税1,000円)でXを販売

・買主B社は消費者に、14,300円(13,000円+消費税1,300円)でXを販売

⇒買主B社が納付する消費税額は300円(1,300円-1,000円)となる

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2023年10月1日以降に仕入れ税額乗除を受けるためには、制度の要件を満たした適格請求書(インボイス)の発行・保管が必要となってしまう予定です。

インボイス導入を間近に控え、一部の個人事業主・企業や業界団体からは中止・延期の声が挙がり続ける一方、一部の方からは「自分には関係ない」といった反応も見受けられます。

しかし、インボイスが導入されると、著者は大半の日本国民に“大規模な物価上昇“の形で大きな影響が出るのではないかと注目しています。

なぜ、インボイス制度が物価上昇に影響してしまうのでしょうか。

本稿では、インボイス制度の概要を改めてご説明しつつ、このまま導入された場合における“大規模な物価上昇”について、分かりやすくご説明していきます。

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■そもそも、インボイス制度とはなにか!?

まずは、インボイス制度の概要からおさらいしておきましょう。

冒頭にも少し触れましたが、インボイス制度の背景には、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられた際、食料品などを対象に軽減税率が導入されたことがあります。

軽減税率の導入によって消費税率が、2つに分かれることとなり、請求書等の発行に際して、品目やサービスごとの消費税率を区分する必要が生じたわけです。

現在も、請求書にその品目やサービスが軽減税率の対象であるかを記載するなどが義務化されていますが(これを「区分記載請求書等保存方式」といいます)、いよいよ2023年10月よりこれを厳格化し、「事業者の登録番号」「適用税率(税率ごとの内訳)」「税率ごとに区分した消費税額等」などの記載が追加で必要となります。

この厳格化した方式を、「インボイス制度(適格請求書等保存方式)」と呼ぶわけです。

制度詳細や実際の請求書記載方法は、国税庁ホームページに記載がありますので、関心のある方は合わせてご参照ください。

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<参考>

国税庁ホームページ 『インボイス制度の概要』

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■インボイス制度が物価上昇をもたらす「2つの理由」とは!?

インボイス制度の主旨が、「消費税率を分かりやすくした請求書の発行・保存」だとすれば、これがどうして“大規模な物価上昇”に繋がってしまうのでしょうか?

これには大きく2つの理由が影響しています。

1つ目の理由は、請求書の発行・保存に従来よりも手間がかかり、事業者によっては大規模なシステム改修や経理オペレーションの見直しが必要となることです。

インボイス導入後、請求書を発行する側にとっては、消費税率の表示を細分化する必要があるだけでなく、新たに登録番号を取得し・記載しなければなりません。

また、請求書を受け取る側にとっても、仕入れ税額控除を受けるには、取引先ごとにインボイスの要件を満たした書式であることを確認し、これを適正に保管する必要があります。

こうした運用変更・作業負荷の増加は言わずもがな事業主負担ですから、日本中でサービスや物品の原価が一斉に上昇することになります。

ただでさえ円安や燃料高を背景にした原価高騰が続き、多くの事業者がギリギリの経営をしている最中ですから、今回のインボイス対応に関するコスト増について、サービスや物品の価格に転嫁せざるを得ないケースは日本中で発生することでしょう。

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2つ目の理由は、消費税の免税事業者について、その利益や売上が減少する可能性があることです。

免税事業者とは、消費税の納税義務のない事業者のことで、原則としてその課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者が該当します。

免税事業者について、詳しくは以下の国税庁ホームページを参照ください。

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<参考>

国税庁ホームページ タックスアンサー 『No.6501 納税義務の免除』

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インボイス制度が導入されると、これまで免税事業者であった小規模な個人事業主や法人は、

①消費税課税事業者となったうえでインボイスを発行する

②取引先が仕入れ税額控除できなくなる前提で免税事業者のままでいる(インボイスを発行しない)

のどちらかの選択を迫られることになりますが、どちらを選んでも茨の道です。

前者①であれば、消費税納税分だけ事業者の利益を圧迫しますし、後者②であっても、取引先から契約解消・条件改定などの要求がくることが容易に想像できるからです。

倒産・廃業してしまう事業者も出るでしょうし、そうでなくとも、こうした免税事業者の消費税納税分が、巡り巡ってサービスや物品の価格に上乗せされることは避けられないと見るべきです。

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いかがでしょうか。

インボイス制度の主旨は理解できるものの、政府の本音は免税事業者からの一律増税なのでしょう。

小規模事業者に向けては、一応の経過措置(2割特例)なども打ち出されてはいますが、インボイス導入まで3ヵ月を切った現時点においても登録番号の取得に悩んでいる事業者は多い模様です。

インボイス制度の導入をきっかけに、小規模事業者の連鎖倒産(廃業)や、極端な物価高騰に進まないことを願うばかりです。

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