節税

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【地震・台風・豪雨】自然災害で被災したら、確定申告で税金が戻ってくる?!

【地震・台風・豪雨】自然災害で被災したら、確定申告で税金が戻ってくる?!

【地震・台風・豪雨】自然災害で被災したら、確定申告で税金が戻ってくる?!

地震、津波、台風、豪雨、大雪、土砂災害、火山噴火。

日本は海外の国と比べて、地形、地質、気象などの自然的条件から災害が発生しやすいと言われています。

 

実際に国土技術研究センターの調べによると、日本の面積は全世界の0.29%しかないのに対し、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.1%が日本にあります。

また全世界の災害で受けた被害金額の17.5%が日本のものとなっているため日本は災害大国と言っても過言ではないでしょう。

 

自然災害により被災した場合、自宅や家財に大きな損害を受けることも少なくないと思いますが、その際確定申告をすることで税金が戻ってくる「雑損控除」と「災害減免法」という二つの制度があります。

今回は、これらの制度について内容をみていきましょう。

 

【INDEX】

■雑損控除とは

■災害減免法とは

■まとめ

 

雑損控除とは

雑損控除とは、所得控除の一つで災害や盗難、横領によって損害を受けた場合に一定の金額を所得控除できる制度です。

※所得控除…所得税算出の際に、一定金額を所得額から差し引ける制度のこと

 

■対象者、対象物:

対象者は、資産の所有者が次のいずれかであること。

・納税者

・納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、総所得金額等が48万円以下の方

※令和元年分以前は38万円以下

 

対象物は、生活に必要な住宅、家財、衣類、自動車など。

※生活に必要でないものや、価額が30万円を超える貴金属、骨董、別荘や事業用資産は対象外

 

■損害の原因:

次のいずれかに限られます。

・震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

・火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

・害虫などの生物による異常な災害

・盗難

・横領

※詐欺や恐喝は当事者の意思のもとになされた行為と判断されるため適用不可

 

■雑損控除の金額:

控除できる金額は、次の二つのいずれか大きい金額です。

・(損害金額 + 災害等関連支出金額 - 受取保険金)-(総所得金額×10%)

・(災害関連支出金額 - 受取保険金)- 5万円

※損害金額…損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額

※災害等関連支出金額…災害により滅失した住宅、家財などを取壊しまたは除去するための支出、また盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のための支出

※受取保険金…災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金など

 

■手続き:

雑損控除の適用を受けるためには確定申告書に必要事項を記載し、被害を受けた住宅・家財などの明細や損害状況が分かる書類を添付する必要があります。

雑損控除の場合は、その年に引ききれなかった金額について翌年以降最大3年間に渡って繰越控除をすることが可能で、申告年度から5年間であれば遡って申告することも可能です。

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災害減免法とは

災害減免法とは、税額控除の一つで災害により資産の半分以上が損害を受けた場合に、所得税が軽減または免除される制度です。

※税額控除…算出した所得税額から、一定金額を税額そのものから差し引ける制度のこと

 

■対象者、対象物:

災害によって受けた住宅や家財の損害額がその時価の2分の1以上、かつ災害にあった年の合計所得金額が1,000万円以下の方。

 

■損害の原因:

災害のみ適用可能。

 

■軽減または免除される所得税額:

所得金額の合計額

軽減または免除される所得税の額

500万円以下

全額

500万円を超え750万円以下

2分の1

750万円を超え1,000万円以下

4分の1

 

■手続き:

災害減免法の適用を受けるためには確定申告書に必要事項を記載し、住宅・家財などの損害状況が分かる書類を添付する必要があります。

災害減免法の場合は雑損控除と違い、翌年以降の繰越はできず住民税への適用はありません。

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まとめ

今回は、被災時に使える雑損控除と災害減免法の二つの制度についてお伝えしました。

 

どちらの制度も適用を受けるためには確定申告が必要で、尚且つ併用ができずに使う場合はどちらか一つを選択する必要があります。

実際にどちらの制度がお得になるかは、そのときの所得額や損害状況によって大きく金額が変わるため、それぞれ計算式に当てはめて節税効果を比較するようにしましょう。ただし最大で3年間の控除が受けられることなどから、一般的には雑損控除の方が有利だと言われています。

 

またこれらの制度は、ふるさと納税の寄付金控除や医療費控除などと比べると適用する頻度は少ない制度ですが、万が一の際には使うのと使わないのでは手元に残るお金が大きく違ってきます。

実生活で災害が起きたときでも冷静に対応できるように、日頃から制度の仕組みや控除できる金額、手続きについて知識を身に付けておくようにしましょう。

その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。

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