保険年金
ご自身の万が一や、病気・ケガでの入院、手術、介護状態になったときなど、自分に何かあったときの備えとして保険に入っている方は多いと思いますが、自分ではなく他人に損害を与えてしまった場合の備えについても考えておかなければなりません。
実際に自転車事故で加害者になってしまった場合、1億円近い損害賠償支払いの判決が出た事例もあり、高額な賠償責任を負うケースは少なくありません。
今回はこのような日常の事故や賠償リスクに備える個人賠償責任保険について、その内容や加入時のポイントなどをお伝えしていきます。
【INDEX】 ■個人賠償責任保険とは ■個人賠償責任保険の加入時のポイント ■最後に |
個人賠償責任保険とは名前のとおり、法律上の損害賠償責任を負ったときに損害を補償する保険です。
この保険の主な目的は第三者による損害を補償することで、個人賠償責任保険に加入していれば契約者の代わりに保険会社が賠償金を支払い、契約者の経済的負担を軽減する役割を果たします。
補償の対象となる事故は様々で、思わぬトラブルやアクシデントに備えることが可能です。
<個人賠償責任で補償されるケース>
・自宅の塀が倒れ他人にケガをさせた ・運転中の自転車で歩行者をはねた ・ペットが友人に嚙みついてケガをさせた ・買い物中、子どもがお店の商品を落として壊した ・公園でキャッチボールをしていて、近所の家の窓ガラスを割った ・マンションで水漏れを起こし、下の階の部屋の家電を壊した |
一般的には保険に加入している被保険者だけでなく、配偶者や同居家族、別居の未婚の子なども補償の対象となります。
設定できる保険金額は1,000万円、3,000万円、1億円、3億円、無制限など保険会社や商品によって異なり、月々の保険料は数百円程度です。
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基本的には日常生活に起因するすべての事故が補償の対象となりますが、補償基準は故意ではなく過失で起きたケースに限られます。
自身のケガや仕事中の事故、同居家族同士の事故、スポーツ中の事故などは補償の対象とならないため覚えておきましょう。(※実際の補償範囲は保険会社によって異なる)
保険期間は原則として1年間で、単独でも加入できるほか、火災保険や自動車保険、傷害保険、共済保険、クレジットカードのオプションとして付帯することも可能です。
ただし重複して加入していても実際に受け取れる賠償金の総額は変わらないため、加入している各保険の補償内容を確認してみましょう。
個人賠償責任保険に加入する際のポイントを見ていきましょう。
補償される保険金額については、最低でも1億円をつけておくことをおすすめします。
一般的な生命保険や医療保険とは必要補償額が大きく異なり、実際に他人に損害を与えてしまった場合には億単位の損害賠償請求をされるケースもあります。
<自転車での加害事故例>
判決認容額(※) |
事故の概要 |
9,521万円 |
男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。( 神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決) |
9,330万円 |
男子高校生が夜間、イヤホンで音楽を聞きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2か月後に死亡した。(高松高等裁判所、令和2(2020)年7月22日判決) |
9,266万円 |
男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決) |
※日本損害保険協会ホームページより
※判決認容額とは、上記裁判における判決文で加害者が支払いを命じられた金額(金額は概算額)
また個人賠償責任保険の中には、示談交渉サービスがついているものがあります。
実際の事故時に、当事者同士で示談交渉を進めるとなかなか話し合いがまとまらず膨大な時間と労力を割くことにもなりかねません。その際示談交渉サービスが付帯されていれば、保険会社が示談交渉を代行してくれるため事故時の負担軽減に繋がります。
また火災保険や自動車保険などの特約として個人賠償責任を付加している場合は、解約や保険の乗り換えで補償がなくならないよう注意が必要です。
保険会社によって補償範囲や免責事項が異なるため、新しい保険に乗り換える際は必ず事前に補償内容を確認しておくようにしましょう。
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今回は、日常生活での事故やトラブル時に活用できる個人賠償責任保険についてお伝えしました。
もし保険に加入していない状態で損害賠償責任を負うと、自分の資産から全ての賠償金を支払う必要があり、未成年の子どもが起こした事故であっても例外はありません。
一方で加害者が保険に加入していないと、被害者も十分な補償を受けることができなくなってしまいます。
日常生活の中でどれだけ気を付けていても事故は起こる可能性があり、その際加害者と被害者双方の経済的負担を軽減するためにも、個人賠償責任保険などを活用して日頃からこうしたトラブルに備えておきましょう。
その際、本記事の内容もご参考頂ければ幸いです。
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