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政府による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」が、いよいよ2024年5月使用分を以って終了する予定です。
同事業では、国が電気・都市ガス等の小売事業者に値引きの原資(補助金)を支払うことで、小売事業者が我々に料金を請求する際にその分を値引きする仕組みとなっていますが、この値引き幅が段階的に縮小し、2024年6月以降は完全に値引きがなくなることになります。
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<参考>
経済産業省ホームページ
『2024年春までの電気・ガス価格激変緩和対策の継続に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可を行いました』
https://www.meti.go.jp/press/2023/12/20231213001/20231213001.html
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物価高騰は止まらず、名目賃金は23ヵ月の減少を記録するなど、国民生活は苦しくなる一方ですが、同事業の終了はこうした状況に追い打ちをかけるような有様です。
本稿では、同事業の終了に伴う実際の家計への影響額(負担増加額)を試算し、6月以降の備えについてもご説明していきます。
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まずは、「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による補助金の内訳を確認しておきましょう。
以下は、一般家計で多く契約されているであろう「電気(低圧)」と「都市ガス」の補助金額の推移です。 ※沖縄電力株式会社を除く
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<電気(低圧)>
2023年1月~2023年8月使用分 :7.0円/kWh
2023年9月使用分~2024年4月使用分 :3.5円/kWh
2024年5月使用分 :1.8円/kWh
<都市ガス>
2023年1月~2023年8月使用分 :30.0円/㎥
2023年9月使用分~2024年4月使用分 :15.0円/㎥
2024年5月使用分 :7.5円/㎥
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上記のとおり、実はいまでも補助金の額は当初の半分に減らされています。
この冬、「節約しているはずなのに、電気代・ガス代が去年よりも高くなった」と感じた方も多いと思いますが、それはこの補助金減額による影響です。
そして、5月使用分の補助金はいまの半分となり、いよいよ6月使用分より補助金は完全に終了する予定となっています。
とはいえ、補助金の単価を言われても、ご自身の家計への実影響がピンと来ない方が多いかもしれません。
実際の影響額は各世帯の電気・ガスの使用量により異なりますが、環境省より令和3年度の平均値(1世帯が1年間に消費したエネルギー)が公表されており、これによると、全国平均で電気が4,175kWh、都市ガスが203㎥となっています。
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<参考>
環境省ホームページ
『家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭でのエネルギー消費量について』
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/01/#gsc.tab=0
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この全国平均値で試算すると、電気代の補助金については、月額2,435円→1,217円(現在)→626円(5月使用分)→0円の推移を辿る計算となります。
<計算式>
4,175kWh ÷12ヵ月 × 7.0円 ≒2,435円
4,175kWh ÷12ヵ月 × 3.5円 ≒1,217円
4,175kWh ÷12ヵ月 × 1.8円 ≒626円
同様に、都市ガスの補助金については、月額507円→254円(現在)→127円(5月使用分)→0円の推移となります。
<計算式>
203㎥ ÷12ヵ月 × 30.0円 ≒507円
203㎥ ÷12ヵ月 × 15.0円 ≒254円
203㎥ ÷12ヵ月 × 7.5円 ≒127円
つまり、電気代・都市ガス代の合計では、月額2,942円→1,471円(現在)→753円(5月使用分)→0円となり、一般家計への影響額としては、当初比で月額約3,000円、現在比(24年4月比)で月額約1,500円が目安と考えれば、当たらずとも遠からずといえるでしょう。
本稿執筆時点(4月13日現在)では政府による補助金延長は発表されておらず、有識者の見解としても、このまま予定どおりに終了するとの見方が優勢です。
その一方、電気代・ガス代の高騰は、一時期の極端な状況こそ脱したものの、依然高値水準で推移しており、家計負担は大きいままです。(たとえば、多くの世帯が契約している東京電力の従量電灯Bプラン(低圧)では、数年前と比べても基本料金・従量料金ともに大幅に値上がりしたままですし、さらに24年度は再エネ賦課金も値上がりする見通しです)
そこで、個人で出来る備えとしては、少しでも料金の安い電力会社・ガス会社への見直しが現実的です。
電力会社を例にすると、多くの電力会社では以下の計算式で毎月の電気代が計算されています。
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<電気代の基本計算式> ※市場価格連動型を除く
①基本料金 +②電力量料金 +③再エネ賦課金
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①の基本料金とは、契約するA(アンペア)に応じた料金のことで、各月の電力使用量によらず発生します。
電力会社によっては、基本料金を請求しない(②の電力量料金に含める)プランが用意されていることもあります。
②の電力量料金とは、各月の電力使用量に応じて発生する料金のことで、一般的には、「1段料金(120kWhまで)」「2段料金(120 kWh超300 kWhまで)」「3段料金(300 kWh超)」に分かれており、各月の電力使用量が増えるごとに単価が増加する傾向にあります。
電力会社によって最も料金に差がつく部分でもあり、段階料金を定めないプランや、各月の電力使用量が増えるほど単価が割安となるプラン、あるいは電力需給状況によって随時単価が変動するプランなど、様々なプランが展開されています。
③の再エネ賦課金とは、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」のことで、太陽光発電や水力発電、風力発電などの再エネ発電の普及・促進のためのコストです。
毎年、経済産業大臣が金額を決定するため、電力会社による違いはありません。(前述したように、2024年度は大幅値上げが予定されています)
こうした計算要素は一見すると取っ付きにくい印象を持つかもしれませんが、新規顧客獲得に向けて、ホームページや電話などで分かりやすく仕組みを説明する会社も増えてきました。
また、お住まいの地域で利用できる電力会社・ガス会社の一括比較できるサイトも、近年人気を博しています。
6月からの料金値上げをきっかけに、電気料金・ガス料金の見直しを始めてみてはいかがでしょうか。
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