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法人化のメリットと会社設立に必要な費用

法人化のメリットと会社設立に必要な費用

法人化のメリットと会社設立に必要な費用

個人事業主として事業を営む中で売上や事業規模が拡大してくると「法人化」を検討するタイミングが訪れます。法人化には多くのメリットがある一方で、設立に際しては一定の費用が発生します。本記事では、法人化のメリットを解説するとともに、会社設立に必要な具体的な費用について詳しく説明します。

 

【INDEX】

■法人化のメリット

 ・節税効果

 ・社会的信用の向上

 ・資金調達の幅が広がる

 ・責任の限定

 ・事業の継続性

■会社設立に必要な費用

 ・登録免許税

 ・定款作成費用

 ・資本金

 ・専門家報酬

 ・その他費用

■法人化する際の注意点    

■まとめ

 

法人化のメリット

法人化には、以下のような経営面や税務面でのメリットがあります。

 

節税効果

法人化することで、個人事業主とは異なる税率が適用されます。法人の所得税である法人税の税率は、課税所得800万円以下の場合、23.2%と比較的低く設定されています。また、経費として認められる範囲が広がり、所得を抑えることができるため、節税効果が期待できます。

○主な節税ポイント

・役員報酬を経費にできる。

・社宅や福利厚生費を経費に計上可能。

・税率の段階的な適用で、大きな利益でも一律課税を回避可能。

 

社会的信用の向上

法人化することで、取引先や金融機関からの信頼度が向上します。法人の方が「継続性のある組織」と見なされるため、大きな取引や融資が受けやすくなります。また、事業用クレジットカードの取得や賃貸契約が法人名義で行えるようになります。

 

資金調達の幅が広がる

法人では、金融機関からの融資や投資家からの資金調達が個人事業主よりもスムーズに進む場合があります。特に、法人化していることで事業の継続性や規模が明確になり、投資を呼び込みやすくなります。

 

責任の限定

個人事業主では、事業における債務がすべて個人の財産で補填されます。しかし、法人化した場合は会社の負債は原則として会社の財産内で処理されるため、経営者個人の財産が保護される(有限責任)というメリットがあります。

 

事業の継続性

法人化することで、代表者が変わっても事業を継続することができます。個人事業主では代表者の死亡や廃業で事業が終了しますが、法人の場合、所有権や役員の交代により事業を存続可能です。

 

会社設立に必要な費用

会社設立には、法的な手続きや登記、事業開始に必要な諸経費が発生します。以下は主な費用の内訳です。

 

登録免許税

会社設立時には法務局に登記を行う必要があり、その際に支払う税金が登録免許税です。

株式会社の場合: 資本金の額に応じて、「資本金の0.7%」または15万円のいずれか高い方。

合同会社の場合: 一律6万円。

 

定款作成費用

会社を設立する際には「定款」を作成し、公証役場で認証を受ける必要があります。

株式会社の場合 公証役場での認証手数料:5万円。

定款に貼付する収入印紙代:4万円(電子定款を利用する場合は不要)。

合同会社の場合 公証役場での認証が不要。

 

資本金

会社設立時に用意する資本金です。株式会社や合同会社では1円から設立可能ですが、事業規模や信用度を考慮し、一般的には50万円〜300万円程度を用意するケースが多いです。

 

専門家報酬

会社設立を行政書士や司法書士に依頼する場合、手続き代行の報酬が発生します。

報酬の相場: 10万円〜20万円。

 

その他の費用

・会社印(実印、銀行印、角印)の作成費用:1万円〜3万円。

・銀行口座開設時の費用(最低限の資本金の預け入れなど)。

・オフィスや事業所の賃貸契約に必要な保証金や敷金。

・会社設立の総費用例

 

以下は、株式会社を設立する場合の費用例です。

・登録免許税   15万円

・定款認証手数料        5万円

・定款の収入印紙代     4万円(電子定款の場合は不要)

・会社印作成費           1〜3万円

・専門家報酬(依頼する場合)           10〜20万円

・合計(目安)           20〜30万円以上

合同会社の場合は、定款認証が不要で登録免許税も6万円と安く抑えられるため、10万円前後で設立可能となっています。

 

法人化する際の注意点

法人化には多くのメリットがありますが、以下の点に注意が必要です。

設立後のランニングコスト 法人化すると、社会保険料や税理士への報酬など、個人事業主にはなかった経費が発生します。また、赤字の場合でも法人住民税(均等割)が発生するため、収支バランスを十分に検討する必要があります。

 

手続きの複雑化 法人化すると、決算書の作成や税務申告が複雑になります。税理士や行政書士のサポートを受ける場合には、追加のコストが発生します。

経営の責任 有限責任といえども、実質的には法人代表者の責任が問われる場面もあります。特に、金融機関からの融資を受ける際には、代表者個人が連帯保証人となるケースが多くなっています。

 

まとめ

法人化には、節税効果や社会的信用の向上、責任の限定など多くのメリットがあります。一方で、設立時や運営に一定のコストが発生するため、事業の規模や収益状況に応じて慎重に判断することが重要です。

会社設立にかかる費用は、株式会社の場合20〜30万円程度、合同会社では10万円前後が目安です。法人化を検討する際には、専門家に相談しながら事業計画や資金計画を立てると、よりスムーズに進められるでしょう。

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